知る悦び

tk33082006-03-15

終業式での校長センセや瀬川センセの話を聞いて思い出したことがあります。

むかし、私が小学生だった頃。母方のじいちゃん・ばあちゃんの家は大阪市浪速区の東の端、松屋町筋沿いにありました。先日朝日新聞に載っていた「軍艦アパート」の北側です。うちの両親はじいちゃん・ばあちゃんがやっている仕事を手伝っていたので、私もガッコが終わったらそこに帰り、両親の仕事が終わったら一緒に帰る、という生活パターンでした。そこら一帯は「下寺町」という町名が示すように、松屋町筋沿いにお寺がたくさんありました。

夏になったらお寺の境内に忍び込み、セミを捕って回ったものです。いちどセミといっしょに見たことのないコガネムシのような甲虫を捕まえました。何という名前の虫か、知りたかったのですが誰に聞いても名前を知りません。やっとのことでガッコの図書館の昆虫図鑑で見つけた名前は「シロテンハナムグリ」でした。ただ名前を知っただけなのですが、な〜んかすっごくうれしかったのをおぼえています。まるで自分が名前をつけたみたいに興奮しました。

今振り返ってみるとあれが「知る悦び」を初めて味わった瞬間なのだろうと思います。君たちにもいろんな発見を通して「知る悦び」を感じる瞬間があるだろうと思います。バイト先で「先輩はこうやっているけれど、こうやった方が簡単にできる」だとか、「授業中に先生はこう説明したけれど、この公式を使ってこうやった方が早く問題を解くことができる」だとか。

毎日の小さな発見を通じて「知る悦び」をたくさん味わい、それが「学びたい気持ち」になっていけば最高なのですが。