なぜ殺す?

最近おとなによるこどもの虐待が報道されることが多く、心が痛みます。でも「こども」である君たちに知っておいて欲しいのは「親っていうのはこどもが無条件にかわいい」ということです。私も12年前、大輔が生まれたとき池島高校20期生1年1組の学級通信にこう書きました・・・

赤ちゃんの顔を見ていると何とも言えない幸せな気分になってきます。病院を退院して奥さんの実家に帰った日の夜は1時間おきに泣いて奥さんや奥さんのお母さん(おばあちゃん)を寝かさなかったらしいのですが、最近では環境にも慣れてわけもなく泣いたりはしないようです。おっぱいを飲んでいる様子、飲み終わってゲップをする様子、おむつが汚れてまっかな顔をして泣いている様子、そしてなによりスヤスヤと眠っている様子などなにを見ても「かわいい!」と思ってしまいます。そんなときわれにかえって考えます。この子はおそらく僕と奥さんと両方のおじいちゃん、おばあちゃんにかこまれて幸せに大きくなっていくだろうけど、この世の中の子どもたちの中にはせっかく生まれてきたのに祝福もされずほったらかされて育っていく子どももいれば、たまたま両親が在日の人や、被差別部落の人だったために周囲からわけもなく迫害されて育っていく子どももいるのです。また、そういった境遇の子どもたちでなくてもどこでどう間違うのか、将来人を殺して刑務所へ行く子がいるかもしれないのです。そう考えると生まれた瞬間からそれぞれの赤ちゃんたちの人生のドラマが始まっているのだということを思います。うちの子どもと同じ1993年12月28日に産まれた子供たちすべてが、そして日本中、世界中のすべての子どもたちがすこやかに成長し、それぞれの幸せをつかんでくれることを祈っています。そうしてもちろん、君たちも・・・。