名古屋高裁刑事4部

名古屋高裁刑事2部が再審決定を取り消しましたが、同じく刑事4部は1963年2月28日にこんな結びの判決を出しています。

ちなみに当裁判所は被告人否ここでは被告人と云うに忍びず吉田翁と呼ぼう。吾々の先輩が翁に対して冒した過誤を只管(ひたすら)陳謝すると共に実に半世紀の久しきに亘り(わたり)克く(よく)あらゆる迫害に堪え自己の無実を叫び続けて来たその崇高なる態度、その不撓不屈の正に驚嘆すべき類なき精神力、生命力に対し深甚なる敬意を表しつつ翁の余生に幸多からんことを祈念する次第である。

日本語で書かれた文章の中でいちばん好きなのは日本国憲法前文ですが、2番目に好きなのがこの文章です。
ここらへんを勉強しようと思ったら推薦図書は『日本の刑事裁判』青木英五郎(岩波新書)『誤った裁判』上田誠吉・後藤昌次郎(岩波新書)『冤罪』後藤昌次郎(岩波新書)あたり。大学4年の冬、最終セミナー(卒業試験みたいなモンです)が終わってから刑事訴訟法〜冤罪の周辺に興味が湧き読んだ本です。