規制緩和

天皇賞せん馬出走OKへ…レベルアップ盛り上がりに期待
春・秋の天皇賞が、来年度からせん馬に開放されることが、10日までに分かった。天皇賞はこれまで「種牡馬選定競走」としての意味合いが強く、牡馬3冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)、NHKマイルC、朝日杯FSと同様にせん馬は出走できない規定だったが、近年はトップホースの引退・種牡馬入りが早められている事情もあり、フルゲート割れや、条件馬の出走が目立ってきていたため、JRAが数年前から緩和策を検討して、その結果、せん馬に開放することが決まった。
また春の天皇賞については、同じ芝3200メートルのメルボルンCを頂点とする豪州・ニュージーランドオセアニア馬にとっては注目の的。せん馬が多くを占めるオセアニアからトップクラスが参戦してくれば、盛り上がりが期待できる。さらにオセアニアからの輸入馬が多い香港もせん馬が多数おり、参戦が期待される。
これまで日本ではトップホースの去勢には否定的だったが、今後は気性の難しい馬などが、去勢されるケースも増えてきそうだ。せん馬が出走することにより、天皇賞がレベルアップすることは確実。パートI国としての国際的なレース価値も上がりそうだ。
せん馬
サラブレッドは、去勢することによって(1)体質強化(特に幼年期の去勢は馬体の大型化を抑え、脚部への負担を軽減)、(2)気性改善(男性ホルモンの分泌が減少されて、馬っ気がなくなる)という2つの効果があるとされる。日本ではデビュー前に去勢されることは珍しいが、米国ではむしろデビュー前の去勢が一般的。またオセアニアではせん馬が大レースでも活躍し、豪州最大のレースであるメルボルンCも歴代の勝ち馬にはせん馬が多い。去勢手術そのものは麻酔を用いて15分程度で終わる簡単なもの。術後も競走への復帰にはさほどの時間を要さない。

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