SETI

宇宙人からの信号キャッチ、通報先は? 科学者ら会合へ
宇宙人が発している可能性のある電波を見つけたら、誰に知らせればいいのか――。来月3、4日、兵庫県西はりま天文台で、天文学者生物学者、企業関係者ら50人ほどが集まって議論する。
地球外の知的生命体の探査(SETI)は、各国の主要大学からアマチュアまでがしのぎを削っている。宇宙開発競争の中、60年代から米国や旧ソ連を中心に研究が本格化した。慶応大の青木節子教授(宇宙法)は「日本ではSETIはキワモノのように扱われることがあるが、世界では驚くほどまじめな研究がされてきた」と言う。
国際天文学連合(IAU)は91年、「地球外生命体から送られたと思われる電波信号についてとるべき行動」という指針を決議。「信号らしきものを発見したら、それが自然現象や人類が関与した現象でないと証明するよう努める」「発見者は関連する国家当局に通報。IAUを通じて国連事務総長に知らせる」とした。
では、「国家当局」は日本ではどこなのか。そんな疑問を、西はりま天文台の主任研究員、鳴沢真也さんが今秋、SETI関係者に投げかけた。
九州東海大の藤下光身教授(電波位置天文学)は「一般にイメージされる宇宙人探しと、学術的なSETIの間には大きなギャップがある。国家当局を決めることでその溝を埋めたい気持ちもある。会合は人類や文明について考える場になるだろう」と話す。
米国SETI研究所のダグラス・バコフ博士も「宇宙人との接触という人類史上最も重大な局面にどう対応するかは、各国内で真剣に論じられてこなかった」といい、「日本で議論が始まれば、SETIの歴史で画期的」と期待を寄せる。
通報先の「候補」には国立天文台、電波を管理する総務省、科学技術を所管する文部科学省などがあがりそうだ。

http://www.asahi.com/science/update/1029/TKY200710290321.html