阪神JF

tk33082007-11-29

いだてん娘エイムアットビップ(牝2、栗東・矢作)が万全の仕上がりを見せた。時計のかかる坂路でマークした4ハロン53秒6−12秒7は上々の数字。折り合いが付いて、福永祐一騎手(30)は好感触を得た。ゴール板が近づくと福永騎手は、エイムアットビップの手綱を握る手を少しだけ緩めた。リズム良く走っているから、余力がある。レースで見せる激しい気性は、けいこでは影を潜めていた。頭を上げることなくスムーズに加速し、しっかり末脚を伸ばすと4ハロン53秒6、ラスト1ハロン12秒7をマーク。併せたタニノハイクレア(古馬1000万)に3馬身先着した。時計がかかり、13秒台が続出したこの日の坂路。2歳牝馬で12秒台後半を出せたことが、状態の良さを物語る。
矢作芳人師(46)は馬上の福永に声を掛けた。「どうだ、よかったんじゃないか?」。福永は「いいですね。いい動き。攻め馬はめちゃめちゃ乗りやすい」と笑った。デビュー2戦目から手綱を取っているが、調教に乗り始めたのはこの中間からだ。師は「先週はDコースで乗ってもらった。(レースで)引っ掛かる馬はコースで乗るのは怖いものだが、うまく折り合っていけた。随分、自信を持ったようだよ」と騎手の気持ちを代弁。レースでは燃えるけれど、普段の調教では折り合えることを知っておいてもらいたかった。だが、レースでも控えてくれという要求はしない。ファン思いの矢作師は、競馬を盛り上げたい気持ちが人一倍強い。そして、未勝利をレコードで逃げ切った馬の持ち味を生かそうと意欲的だ。前走ファンタジーSはオディールの差し脚に屈したが、0秒2差2着に粘っている。「ファンから『こういう馬は見ていて楽しい』と言われたことが、すごくうれしかった。あのスピードや気性が長所。最終的には、主導権を握る競馬になると思う」と、再度の逃げを宣言。福永も「無理に押さえ込むのはよくないよね。開幕週はいいだろうし」と答えていた。
矢作師は開業初年度に朝日杯FS2着、今年はマイルCS2着(ともにスーパーホーネット)と、着実に結果を出している。そろそろ、悲願のG1タイトルに手が届くころ。「差されたら差されたで仕方ない。具合はいいし、楽しみだよ」と前を見据えている。

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20071129-289045.html

良いですねえ「差されたら差されたで仕方ない。」という潔さ。どこかの陣営に聞かせてやりたいセリフです。