さあ!

目標はJRA1000勝!内田博幸が記者会見で夢ブチ上げ
08年度のJRA新規騎手免許交付式が25日、東京・港区のJRA六本木事務所で行われた。3月1日にJRA所属としてデビューするのは、地方No.1の内田博幸、高知で2000勝を挙げた鷹野宏史競馬学校を卒業した3人の計5人。それぞれがJRAジョッキーとしての夢を語った。
地方競馬で頂点を極めた野武士の野望は実に壮大だ。「中央で1000勝が目標です」。免許交付式を終えた後の記者会見で、内田博幸騎手は淡々とした表情で夢をブチ上げた。大井在籍時は、特別指定競走に騎乗する地方馬を出走させなければ、JRAのレースには騎乗できないというのが大前提。そんな制限の中でもJRA132勝を挙げ、GI(NHKマイルC=ピンクカメオ)も勝ってきたが、やはり同じ条件で、同じ舞台でみんなと戦ってみたかった。「安藤勝さん(笠松から移籍)や岩田君(兵庫から移籍)の活躍は、地方騎手たちの、いい励みになった。ボクも彼らと一緒に乗り、毎週来て乗りたいという気持ちが芽生えた。それに依頼されても(特別指定競走出走の地方馬がいなければ)乗れないという辛さもありましたから」89年のデビューから20年。たくさんの馬の背中を知りウチパクは成長した。今でこそ1日5〜7頭だが、昔は多い時なら早朝から25頭前後の調教に跨ってきた。「怒られるかもしれないけど、ボクは調教が仕事で、レースが趣味。そうすることで、気持ちに余裕が持てるし、レースを楽しめると思うんですよ」“大井のウチパク”としては、27日の川崎競馬が最後。交流GIIエンプレス杯ラピッドオレンジ)をはじめ、3頭の騎乗が決まっている。その後、28日に美浦で行われる鞭贈呈式に出席し、3月1日の中山競馬で、晴れてJRAデビューを迎える。2日の中山記念ではディアデラノビアで重賞制覇を狙う。
勝ちたいレースは?の問いかけには、「ダービーと有馬記念」と間髪入れず即答。目標はデカければデカいほど達成した時に感動は大きい。アンカツ、岩田にも負けないジョッキーへ。リーディングを獲り、南関東の意地も見せたい。ウチパクが、時代を変える。
内田博幸(うちだ・ひろゆき
美浦嶋田潤厩舎。1970年7月26日生まれの37歳。福岡県出身。地方在籍時は大井競馬所属。89年4月6日に初騎乗。以来地方通算1万7678戦3153勝、JRA1229戦132勝、海外4戦0勝(25日現在)。重賞は地方ではアジュディミツオーでの04、05年交流GI東京大賞典連覇をはじめ73勝、JRAではピンクカメオでの07年GI・NHKマイルCなど5勝。1メートル55、49キロ。
★早くもひっぱりダコ!
さすがはウチパク、重賞での騎乗以来が殺到して、中山記念武豊ルメールと乗り継いできたディアデラノビアで参戦。次週3月8日のオーシャンS(中山、GIII、芝1200メートル)は昨年のサマースプリント女王サンアディユ、9日の弥生賞(中山、GII、芝2000メートル)は京成杯で3着のアイティトップなど、ハイレベル馬への騎乗が決まっている。またニュージーランドT(4月12日、中山、GII、芝1600メートル)では昨年の朝日杯FSを勝った最優秀2歳牡馬ゴスホークケンと新コンビを組む。

★鷹野“いごっそう”「食らいつく」
南国、土佐の高知から初のJRA移籍となった鷹野宏史騎手は、幾らか緊張した面持ちで記者会見に臨んだ。82年にデビューして、地方2190勝。24日には高知競馬で壮行会が行われ、1鞍だけ騎乗(10着)して、地元ファンに最後の勇姿を見せてきた。JRAでの騎乗経験がなく移籍したのは、鷹野が初めてだ。「4年前、(兵庫から移籍の)赤木騎手の合格を知って可能性はゼロじゃないと思って受験した。高知では認定レースがなく、JRAの騎乗経験もないので不安はあるが、今は食らいついて一生懸命やるだけです」と決意を新たにしていた。「最初に思った信念を貫き通せと後押ししてくれた、二ノ宮先生との出逢いも大きかった」。26日から所属先の二ノ宮厩舎で調教に汗しながら、“43歳の新人”は中山でのJRAデビューを心待ちにしている。
鷹野宏史(たかの・ひろふみ)
美浦二ノ宮敬宇厩舎。64年10月4日生まれの43歳。高知県出身。地方在籍時は高知競馬所属。82年4月16日に初騎乗。以来地方通算1万4345戦2190勝(25日現在)で、JRAでは騎乗経験がない。1メートル61、49・6キロ。本姓は片山。

http://www.sanspo.com/keiba/top/ke200802/ke2008022602.html