さあ凱旋門賞

JRAハンデキャッパーによる凱旋門賞の見どころ〜メイショウサムソン号出走予定〜
凱旋門賞】(The Qatar Prix de l’Arc de Triomphe)(G1)
競馬場 : ロンシャン競馬場(フランス)
レース日 : 10月5日(日)
距 離 : 2,400m(芝・右)
競走条件 : 3歳以上 牡・牝(せん馬を除く)
総賞金 : 4,000,000ユーロ
10月5日(日)、フランス・パリのロンシャン競馬場において凱旋門賞が行われます。凱旋門賞は1920年に創設され、途中、戦争による中断はありましたが、今年第87回を迎えます。ご存知のように高いステータスを保ち、世界中のホースマンがその勝利に憧れる世界最高峰のレースの1つと言えるでしょう。距離は2,400m、負担重量は3歳馬56キロ、4歳以上馬59.5キロ、牝馬1.5キロ減で、せん馬は出走できません。過去の優勝馬を見てみますと、当然のことながら名馬と呼ばれる馬たちが名を連ねています。リボー、シーバード、ミルリーフと言ったヨーロッパを代表する馬たち、また、ダンシングブレーヴトニービンラムタラなど、日本に種牡馬として輸入され馴染みの深い馬たちの名前も見ることができます。
それでは、有力馬の紹介をすることにいたしましょう。まずは、3歳馬です。1番人気が予想されるのがフランスの3歳牝馬ザルカヴァです。6戦6勝でG1を4勝しています。その中には、プールデッセプーリッシュ(仏1000ギニー・G1)、ディアヌ賞仏オークス・G1)が含まれ、いずれも2馬身以上の着差をつけての完勝です。現在のレーティングは124ポンドで世界第8位、牝馬ではもちろんトップです。同じロンシャンの2,400mで行われたプレップレース、ヴェルメイユ賞(G1)では、大きく出遅れながら直線で一気に差し切りその強さを印象付けました。今回は初めての牡馬との対戦となり、そこをどう乗り切るかがポイントとなりますが、54.5キロの負担重量で出走できることは大きなアドバンテージとなります。1993年のアーバンシー以来の牝馬優勝、また、1982年のアキイダ以来の3歳牝馬優勝なるか、注目したいところです。
同じくフランスの3歳牡馬・ヴィジョンデタは、プレップレースのニエル賞(G2)を勝っての参戦です。こちらもデビュー以来6戦6勝で、ジョッキークラブ賞(仏ダービー・G1)を勝っています。レーティングは121ポンドで世界第21位です。派手な勝ち方をするタイプではなくザルカヴァとは対照的ですが、並ぶと抜かせない勝負根性が持ち味と言えます。ニエル賞の勝ち馬は、ここ10年で6頭が本番を制しているという心強いデータもあります。好位で流れに乗れれば十分チャンスはあるでしょう。
次に、古馬(4歳以上馬)に目を向けてみましょう。アイルランドエイダン・オブライエン厩舎所属の4歳馬デュークオブマーマレードの充実ぶりが光ります。3歳時は、好走はするもののG1未勝利に終わった同馬ですが、今年に入ってG1を5戦して5勝という素晴しい成績を上げています。上半期のチャンピオン決定戦とも言えるキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスを制し、レーティングは127ポンドで世界第2位、芝では第1位という評価を得ています。ただ、硬い馬場なら出走という条件つきで、出否は未定です。出走してくれば当然優勝候補で、その動向が注目されます。同じくエイダン・オブライエン厩舎から4歳馬ソルジャーオブフォーチュンが出走します。昨年のアイルランド・ダービーの勝ち馬で、今年はコロネーションカップを勝っています。レーティングは123ポンドで世界第12位です。昨年はニエル賞を制して凱旋門賞に臨みましたが、直線で大きな不利を受けて5着に敗れました。今年はその雪辱を期しての出走となります。こちらも人気の1頭となるでしょう。
さて、今年は日本からメイショウサムソンが出走します。凱旋門賞には過去7頭の日本調教馬が挑戦し、1999年、第78回のレースで、エルコンドルパサーモンジューから1/2馬身差の2着になったのが最高です。その時のレーティングは134ポンドで、非常に高い評価を受けました。今回は一昨年のディープインパクト以来の出走ということになります。メイショウサムソンの成績については申し上げるまでもないとは思いますが、3歳時には日本ダービーを勝ち、昨年は春・秋の天皇賞を勝っています。今年は天皇賞(春)宝塚記念、いずれも2着でG1には手が届いていません。レーティングは昨年が122ポンドで今年は117ポンドです。血統を見てみますと、父はオペラハウスで1993年の凱旋門賞3着馬、母の父がダンシングブレーヴで1986年の凱旋門賞勝ち馬ということで、凱旋門賞ゆかりの血統とも言えます。実際、海外のハンデキャッパーの間でも血統的に楽しみだと話題になっています。昨年は、馬インフルエンザの影響で遠征を断念しましたが、今年はいよいよ出走の運びとなりました。メイショウサムソンは、長くいい脚を使い、並ぶとしぶといタイプと言えます。ロンシャンの馬場も合っていると思われますので、是非とも頑張って欲しいと思います。

http://www.jra.go.jp/news/200809/093001.html