エリザベス女王杯は2強?

tk33082008-11-13

カワカミに西浦師満点評価/エ女王杯
幻の優勝を今度は現実のものへ−。エリザベス女王杯で1番人気が確実視されるカワカミプリンセス(牝5、栗東)が12日に追い切り、西浦勝一師(57)が満点評価を与えた。1位から12位と悪夢が襲ってから2年。陣営、ファンの思いを背に勝利をつかみ取る。降着の悲劇から2年。カワカミプリンセスは時を取り戻すように、ゆったりとした走りでDウッドを駆け抜けた。4角では外ラチ沿いをぴたりとコーナリング。直線ではリズムよく上下に首を振りながら、四肢を大きく繰り出した。最後まで抜群の手応えでフィニッシュ。時計は6ハロン83秒5、ラストは12秒1(馬なり)。見守った西浦師は「リラックスしてすごく伸び伸びしたフォームだった。いい追い切りができた」と満点の評価を与えた。トレーナーは馬のテンションを抑えるため、調教の細部までこだわった。角馬場で体をほぐしたカワカミは、地下馬道に潜ると、約15分姿を消した。この間、地下馬道から逍遙(しょうよう)馬道へ抜け、坂路の丸馬場を経由していた。地下から直接コースへ出ると競馬を察知していれ込んでしまう。それを防ぐために工夫した。そして時計は84秒という遅めの指示。「1週前にジョッキーが乗って破格の時計が出た。これ以上ない動きをしたし、オーバーワークにならないようにした」とトレーナー。最善の上に最善を尽くした。師がエリザベス女王杯にこだわった理由は2つある。2年前の雪辱戦。そしてもう1つが自身のレースへのこだわり。「ジョッキーとしても取っているレースだし調教師になっても取りたい。なんとしてもプリンセスで取りたい」。騎手時代の81年、アグネステスコで女王杯を制してから27年。1度手にしかけた調教師としての勝利を、今度こそ実現させる意気込みをあらわにした。昨夏、右後ろ脚を骨折した。今年の金鯱賞後にも激走の反動で筋肉痛などアクシデントが続き、勝ち星から遠ざかった。だが、4カ月の休みを経て復帰した府中牝馬Sは、2着ながら2番手抜け出しという横綱相撲。負けてなお復活を印象付けた。「アクシデントがある中で、うまく仕上げられた」と仕上げには絶対の自信を持つ。西浦師とファンの2年分の思いを背にしたカワカミプリンセス。悲運の姫から復活の女王へ。即位の時は近い。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20081113-428936.html

ポルト姉妹制覇へ万全追い切り/エ女王杯
良血ポルトフィーノ(牝3、栗東・角居)が念願のG1初出走に向け、万全の追い切りを見せた。武豊騎手(39=フリー)を背に、豪快なフットワークでシャープに伸びた。桜花賞オークスに出走できず、秋華賞は賞金不足で出走がかなわなかった。03年から連覇したアドマイヤグルーヴに続く、史上初の姉妹制覇に挑む。大舞台での飛躍を期待させる絶好の動きだった。整地直後のCウッドコースに登場したポルトフィーノは、貸し切り状態の馬場で視線を一身に集めた。角馬場で体をほぐした後に、助手に引かれてコースへ。最初の1ハロンから飛ばすことなく、6ハロンから5ハロンまでは15秒1とゆったりと入る。その後も急加速ではなく、徐々にスピードに乗りはじめた。5ハロン65秒0、4ハロン49秒9、ラスト1ハロンが12秒1の好タイムでフィニッシュ。特に直線ではトモと前脚がぶつかりそうになるほど。馬体を目いっぱい伸縮させて駆け抜けた。武豊騎手は「いい動きだったね。相変わらず状態はいい。一番問題の折り合いもマシだったね。ムキになっていなかった」と好感触だった。昨年6月、5馬身離した新馬戦で華々しくデビューしたが、その後は苦難が続いた。予定していた札幌2歳Sは臀部(でんぶ)の筋肉を痛めて回避。エルフィンSは勝ちきったがアーリントンCは折り合いを欠き8着。桜花賞前日には左寛ハ行で出走取り消しに。オークスは11日前に骨折が判明し、秋華賞は収得賞金が足りずに出走できず。牝馬3冠には縁がなかった。母エアグルーヴ桜花賞の4日前に熱発して回避。血統面では能力とともに、非運まで受け継いでいた。だが前走の清水Sを1分32秒5の好タイムで勝利。底力をのぞかせた。今回の最大のテーマは折り合い。前に行きたがる気性が前面に出すぎないよう、馬自身が制御できるかどうかにかかっている。武は「どのポジションになるかは分からないが、折り合いのつくポジションを探す。それがハナは最後方かは分からないけど。姉(アドマイヤグルーヴ)も連覇している。タイプは違うが能力は確か」と語る。「やっとG1に出られる」と締めたように、待ちに待ったG1。待望の舞台で潜在能力が開花するかもしれない。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20081113-428932.html

ゴール前はカワカミプリンセスポルトフィーノのたたき合い、と読んでいます。