ルメール恐るべし

tk33082008-11-17

ルメール魔術でアマポーラV
ポルトフィーノ武豊の落馬で始まった女王決定戦は、フレンチマジックがさく裂した。クリストフ・ルメール騎手(29)がテン乗りリトルアマポーラ(牝3、栗東・長浜)を初G1勝利に導き、1番人気カワカミプリンセスを下した。DVDで研究の結果、先行ベストと判断。従来の追い込みから脚質転換を成功させた。ルメールの先行策が、リトルアマポーラの「弱点」を「武器」にかえた。直線で一歩先に抜け出したアマポーラに、外からカワカミプリンセスベッラレイアが襲いかかる。最後まで馬体は並ばせない。ゴール前では逆に古馬2頭を突き放した。「いいスタートが切れて、グッドポジションが取れた。会心の騎乗に関係者と抱擁するルメール。勝敗を分けた一番のポイントは、ラスト600メートルの攻防にある。直後にカワカミプリンセスの気配を感じると、迷わずゴーサインを送った。前を行くフェアブリーズ、ピサノジュバンをとらえ、カワカミを巻き込むようにペースを上げる。仕掛けのタイミングとしては早め。しかも600→400メートルのラップタイムは11秒5。レース全体で2番目に速い。しまいの脚を残すには「速いところでタメて、遅いところで動く」のが定石。あえて高速ラップで動いたのには訳がある。肉を切らせて骨を断つ。瞬発力勝負では、古馬2頭にかなわない。木曜の追い切りに騎乗して「瞬発力というより、長くいい脚が使えるタイプ。スタミナはありそう」と、走りの特徴を分析。カワカミ、ベッラに早めに脚を使わせることで切れる脚を封じ、消耗戦に持ち込んだ。「過去のレースDVDを見ると、ロングストライドでワンペース。ある程度前の位置で競馬しようと思って、長浜師に進言した」。3歳3冠戦は、いずれも後方からの競馬。伸びてはいるが差し届かず。突き抜けるだけの瞬発力のなさが「弱点」と見られていたが、先行してしぶとさを生かしたことで、この弱点をカバーし、勝負強さという武器を手に入れた。勝ち時計の2分12秒2はさほど速くない。にもかかわらず、レースの上がり3ハロンは35秒2とかかっている。これこそ平均に速いラップの中、スタミナ勝負を挑んだ証拠だ。
追い込みから先行に脚質転換してG1を勝った例といえば、05年有馬記念ハーツクライを思い出す。あのディープインパクトに土をつけたのもルメールだった。たった1度の調教で得た感触を、レースで実践して結果を出す。「ルメールマジック」が、アマポーラを女王の座に就かせた。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20081117-430350.html

それまでイマイチくんだった馬に大きなレースでルメールが乗ったときは気をつけないといけません、今回の教訓です。どうせならもう引退してしまったけどドリパスにいちど乗ってやって欲しかったなあ。そしたらG1の1つも取れて種牡馬になれたかも知れないのに。