苦労人

アーバニティが再転入V狙う
芝1200メートルで2戦2勝のアーバニティが、高松宮記念で春のスプリント王のタイトルを狙う。デビュー戦は骨折のため最下位に大敗し、地方で勝ち星を挙げて中央に再転入してきた。勝てば史上初の“出戻り馬”のGI制覇だ。困難を乗り越え、ようやく素質が開花した良血馬が、今の充実ぶりと血の後押しを力に戴冠となるか。
GI馬スティンガー(98年阪神3歳牝馬S)を姉に持つ良血馬ながら、新馬戦でしんがり負け。その後、地方競馬に転出した異能馬アーバニティが、ついにGIに駒を進めてきた。古賀慎調教師は地方から再転入してきた昨春を感慨深げに語り出した。「最初に検疫で見た時から、カッコいいし、“すごい馬だ”と感じました。これはオープンまで持って行かなければいけない馬だと…。責任を感じましたね」最初は関西馬だったアーバニティは06年8月のデビュー戦(札幌芝1800メートル)で4番人気に支持されたが、13頭立て13着に大敗。レース中に右前脚を骨折していた。ボルトを埋め込む大手術からの回復に手間取り、3歳未勝利戦が組まれている期間の復帰を断念。再登録のシステムを頼りに、地方競馬へと転出した。ホッカイドウ競馬で1戦(2着)した後、園田で4連勝。昨年5月に中央に戻ってきた。最下級の500万下からわずか10カ月あまり。それが今や有力馬としてGIに臨む位置にいる。トレーナーの相馬眼に狂いはなかった。
「秋の東京あたりからスプリンターの血が騒ぎ出してきた感じですね。夏の新潟までは折り合っていたんですが…」
古賀慎師が苦笑いで振り返るように復帰当初はマイル路線を歩んでいたが、2走前からスプリント路線に方針転換。鮮やかな連勝で、資質を開花させた。優秀な母系のなせる業だが、父マンハッタンカフェの勢いも後押しする。現在リーディングサイアー首位を快走中(2位シンボリクリスエスに8000万円以上の差)で、同産駒は先週も中京6ハロンのファルコンSをジョーカプチーノが優勝。若葉Sもベストメンバーが優勝している。「今回はGIですし、相手も強いですからね。でも、すごく前向きな気性だし、連闘の後でもむしろ元気なくらい。いい感じで臨めそうですよ」02年のショウナンカンプや昨年のファイングレインなど、連勝の勢いに乗って高松宮記念を制した例もある。GI初挑戦での金星も、決して夢ではない。

http://www.sanspo.com/keiba/news/090325/kba0903250508008-n1.htm

そうかあ、園田にいましたか。なら応援しなくては、がんばれ。