天皇賞

プリキュア荻野琢初G1逃げ宣言/天皇賞
関西若手のホープ荻野琢真騎手(20=栗東・大久保龍)が、デビュー3年目にして初めてG1の大舞台に挑む。パートナーは1月の日経新春杯で自身に初重賞をプレゼントしてくれたテイエムプリキュア(牝6、栗東・五十嵐)。同型のホクトスルタン(牡5、栗東・庄野)はいるが、高らかにハナ宣言。思い切った逃げを打ち、大観衆を沸かせる。先頭で直線を向いたときに浴びる大声援が、荻野琢はたまらなく好きだ。「馬の上でも、はっきりと聞こえるんです。あの瞬間は最高に気持ちがいい」。うれしい重賞初制覇となったテイエムプリキュア日経新春杯も、ゾクゾクするような感覚だった。「G1だったら、もっとすごいんでしょうね」。デビュー3年目でのG1初騎乗。4角先頭での大歓声が今から楽しみで仕方ない。プリキュアとコンビを組んで4走目。今回も作戦に迷いはない。「やることは1つですからね。思い切っていきます」と高らかに逃げ宣言を掲げる。同型のホクトスルタンはいるが、ハナは譲らない。「とにかく自分のリズムで気持ち良く走らせたいですね。前にいれば何かが起こるかもしれないから」。逃げて、逃げて一発を狙う。「逃げ馬」には格別の思いがある。小学生のとき、初めて見た競馬が98年の天皇賞(秋)だった。大逃げを打ったサイレンススズカが4角で無念の競走中止となったあの競馬。「あとから調べてみたら、すごい馬だったということを知ったんです」。過去のレースを見て、スズカの圧倒的なスピードに驚いた。競馬学校1年生の04年天皇賞(春)イングランディーレが優勝した。横山典騎手の大胆な騎乗に「こういう競馬もできるんだ」とうなった。そして、荻野琢自身の重賞初制覇も逃げ切りだ。「逃げ馬は好きなんです」。逃げ馬とは深い縁がある。初の大舞台に緊張がないはずもないが、表情からは白い歯がこぼれる。「4分の3以上は先頭に立っていたい。いや、5分の4かな。ゴールを過ぎても歓声を浴びていられれば最高ですけど…」。そう笑う姿は本当にプレッシャーなど感じていない様子だ。G1初挑戦、初優勝となれば現役では3人目の快挙となる。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20090429-488433.html

カザブエ魅力十分
阪神大賞典アサクサキングスと鼻差の接戦を演じたヒカルカザブエ。森田助手は「前回はびっくりした。ここまで走るとは」と驚きを隠さなかった。状態については、「悪くないよ」と調子を維持している様子。キャリアは8戦と浅いが、以前に比べて体質も徐々に強化した。「伸びしろはあると思う」と成長の余地は十分。未知の魅力たっぷりの4歳馬が、大舞台をにぎわす。

天皇賞の軸馬はこの2頭。がんばれ、がんばれ。逃げろ逃げろ。デルタブルースもがんばれ。