ノリピー裁判

「傍聴券屋が・・・」と書くべきだ
26日は台風の影響もあって強い雨酒井法子の初公判の傍聴券を求め6615人が東京・日比谷公園に列を作った。昼ごろからテレビが「330・75倍で過去最高!」と報じている。しかし、この報道には若干「正確でない部分」がある。6000人余は大部分「報道関係者」と一部の熱烈なファンである。意外なことだが、僕の周辺では「一般の市民が6000人あまりも集まった」と勘違いしている人が結構、多いのだ。今回の傍聴席は42席。うち22席が記者クラブ加盟社に与えられ、残りの20席の一般傍聴を抽選で行われた。マスコミ各社は記者席用と”絵描きさん用”に最低2席を求められる。だから、同僚記者は必ず動員される。そこで「傍聴券押さえます!」というキャッチコピーが登場した。人材派遣産業が「傍聴券取り代行」を始めたのだ。この会社にはアルバイトとして約10万人の“会員”を抱えている。要するに、6000人の半数以上が「代行」なのだ。アナウンサーが「長蛇の列が国民の関心の高さを物語っています」と言うのは必ずしも正確ではない。「メディアの関心」と言うべきなのだ。(因みに、この会社に「拘束3時間×20人以上」の注文に応え、1人3000円から。因みに、オウム真理教元顧問弁護士・青山吉伸被告(当時)の初公判の際は傍聴券を売る"ダフ屋"も現れた) もう一つ「正確」でないのは「競争率は過去最高の330・75倍だった」というクダリだ。オウム真理教松本智津夫麻原彰晃)死刑囚の初公判(96年4月24日)は1万2292人もいた。この時は一般傍聴席48席で競争率約256倍。倍率は今回が高いが、人数で言えば、かなり離れた「第二位」なのだ。それなのに、メディアは「過去最高の競争率」としきりに強調する。これは、裁判所側が「一番広い法廷(103号、104号)」を使わなかったから、倍率が上がっただけである。
そこで、意見を申し上げたい。メディア側が「広い法廷の使用」を何故、強く求めないのか? これは「国民の知る権利」を守るメディアの義務ではないか?法廷に多くの記者がいれば、裁判の画一的報道が是正される・・・「競走率過去最高」と報じるメディアは「己の力不足」を報道しているようなものだ。

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