園田ジュニアグランプリ回顧

出た、濱ちゃんスマイル。ラブミーチャンが中央勢を一蹴してダートグレードレースタイトルを久々に笠松にもたらした。
時計が不明ではあるが、逃げたのはラブミーチャン。好ダッシュから先手を奪いマイペースに持ち込む。道中はスムーズな手ごたえで進み、競りかける馬も不在。3角前あたりでペースアップすると、後続も詰め寄ってきて、人気の一角アースサウンドが並びかけてくる。直線では完全に並ばれ、一旦かわされかける。結局は、アースサウンドのちょうどいい目標となってしまったとも思ったが、ここからがスゴイ。濱口騎手が前後に伸びやかなフォームで追い出すと本気モード。もう一度インから伸びなおして、最後は完全に突き放して力の違いを感じさせる勝利。
地元ではもちろん、圧勝続きだったが、前走は中央に遠征して京都でレコードタイムをマーク。今回と同じように逃げて後続を一旦引き付け、最後にもう一度突き放すという二の脚を使っての勝利だった。重馬場でスピードが生きる馬場も向いただろうが、潜在的にスピード能力が高い馬なのだろう。
実はこれで、来月の全日本2歳優駿(Jpn1)を除いて、現時点までの2歳ダートグレードレースの全てを地方馬が勝ったこととなった。このレースが始まった99年以降では初めての状況。昨年は2歳時点から中央馬でのダート専門馬の有力馬が何頭か出てきていたが…。これを単に中央勢が出遅れている状況と考えるか、今年は中央のレベルが低いと考えるか(あるいは地方のレベルが高い)はまだ判断が難しいところ。ただ、中央馬相手に内容を伴って連勝したラブミーチャンの力は評価していいだろう。1400mの距離自体は2走前に経験済みだったが、今後はこれより長い距離でどうか。現時点ではどちらかというとスピードに偏った印象ではあるが…。
2着アースサウンドは、2番手から追走してタイミングを狙ってかわしに行った。直後で人気を集めたナリタスプリングが追走に苦しんでいるのを見て、これは勝ったかと思っただろう。しかし、勝ち馬に再度かわされ最後は白旗。完璧な乗り方で負けてしまっては、力の違いを認めざるを得ないだろう。本当は逃げたかったという気も…。逃げてのレースで再度見直しできるか。
3着ナリタスプリングは、1番人気を裏切る形に。前走はスピードの違いを店直線入っても持ったまま。突き放して完勝してしまう圧巻の内容だった。だが、今回はペースが上がった向こう正面で早くも手ごたえが怪しくなってしまった。忙しい小回りの競馬場は合わないのかもしれない。ゆったりと広いコースで力を発揮できるタイプか。少し間隔が開いてしまったのも計画的なローテではあったが、逆に敗因の一つになった可能性も。

http://archive.mag2.com/0000150903/index.html