4代制覇

スルタン、復活の快逃だ
強運を生かしたい。賞金順では補欠の4番目だったホクトスルタンが、上位馬が回避したため、滑り込みで盾の舞台へ。親子4代制覇への夢をつないだ。庄野厩舎は先週のアンタレスSをダイシンオレンジで制覇。ここに来て運が向いてきた。同型不在で展開利も見込めるだけに、大駆けも十分あり得る。
この馬が“出る”“出ない”で、淀の景色がガラリと変わってくる。それほどまでに、ホクトスルタンの存在は大きい。賞金順では補欠4番目で除外対象だったが、上位馬の回避でギリギリ18番目で出走が可能に。「とにかく無事に出られることが何より」と庄野師は安どの表情を浮かべた。
曾祖父メジロアサマ(70年秋)〜祖父メジロティターン(82年秋)〜父メジロマックイーン(91、92年春)がつないだ盾の歴史。夢の親子4代制覇へ、タイムリミットは刻一刻と近づいている。諦めかけたところに舞い込んできた、3度目の盾挑戦。“芦毛伝説”の継承者として、このチャンスをモノにしたい。「4代となるとすごいことだと思う。メジロ牧場さんが昔から大事にしてきたことで、先輩の調教師さんがやってきた。自分自身もその瞬間を見てみたい。参加させてもらえただけでも光栄です」。偉業達成へ、若き指揮官は静かに闘志を燃やす。天皇賞・春は3年連続の参戦。08年は4着、昨年は15着に大敗した。だが今年のスルタンはひと味違う。「去年はいい状態で使ってあげられなかったけど、今年になってやっとこの馬らしい競馬ができるようになった。レースぶりを見ても、徐々に粘りが増している。休み明けを2度使って、体調はさらに上向いているから」と完全復活への手応えをつかんでいる。
当初は逃げ馬不在と言われていた盾も、スルタンの参戦で様相が一転。指揮官も小細工する気はさらさらない。「脚質もペースもバレバレですからね。とにかく自分の競馬に徹するだけです」。年齢を重ねるごとに渋みを増すステイヤーの血。最終切符を手にした“白い逃亡者”の走りに目が離せない。

http://www.daily.co.jp/horse/2010/04/28/0002921599.shtml

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