2歳王者復権

ワンダーVさぁ宝塚も頂くぞ/エプソムC
これがG1馬の底力だ。2歳王者セイウンワンダー(牡4、栗東・領家)が鼻+鼻差の接戦を制して、1年6カ月ぶりの復活勝利を挙げた。今後は27日阪神宝塚記念(G1、芝2200メートル)へ向かう。あん上の福永祐一騎手(33)は、10年の重賞初勝利となった。
検量室前、1着の枠馬に引き揚げてきた福永は「良かったあ」と万感の表情でセイウンワンダーをやさしくなでた。08年12月の朝日杯FS以来1年6カ月ぶりの勝利は、自身の10年初重賞Vとなったが、それよりもパートナーの賞金加算を喜んだ。来週から4歳馬は収得賞金が半減される。「ここで賞金加算できんようではアカン。期待の大きい馬やから」と必死の思いで臨んでいただけに、最高の結果で応えられたことがうれしかった。
シルポートのつくり出した流れはほぼ平均の1000メートル通過58秒9。これを中団で折り合って、直線は馬場状態の良い五分どころから馬群を割って進出した。「流れはそんなに速くならないと思っていたし、いいポジションも取れた」。コンビ5戦目だけに呼吸も合った。抜群のタイミングで追い出すと、ワンダーは息の長い末脚で応えた。ただ「抜け出すまではスムーズだったけど、そこからは思いのほか手間取ったかな」と苦笑いしたように、絶好調時の伸びにはひと息。それでも差し切ってしまうところがG1馬の実力か。内の先頭集団を鼻差抑えて復権を果たした。
レース後、領家師は「少し重かったかな? もっと切れると思ってたよ」とおどけてみせた。3カ月半の休養からたたき2戦目。馬体重は前走から変化なしの524キロ。ワンダーにはまだまだ上昇の余地が残っている。この日の勝利を受けて、次は宝塚記念へ向かうことが決まった。「その後は秋の天皇賞へ進みたい」とトレーナー。賞金加算に成功したことで、ローテーションの幅が広がった。福永は「高いポテンシャルを感じるこの馬で、何とかしてG1を取りたい。まだまだ良くなりますよ」と、次のステージへ意識を向けた。2歳王者の復活劇はここで終わらない。まだまだ新たなシナリオが書き加えられるはずだ。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20100614-641270.html

阪神内回りの2200mはセイウンワンダーには長いと思いますが、がんばってもらいましょう。こんなこと言ってても当日になったらセイウンワンダーから買っていることでしょう。