村上さんのコラム

《前略》
「会うのは何年ぶりかな、懐かしいね。(と一瞬は喜んでくれたが、私のロン毛とタンガリーシャツ&ジーンズの服装を見ると)……、しかし変わらんね、アンタも(ややトーンダウン)」
週報の取材に立ち会うべく橋口弘次郎厩舎に出向いた。菊花賞を目指すローズキングダム中心の取材で、ライターさんの邪魔をしないよう時間を遅らせて行ったにもかかわらず、私が顔を出した途端に昔話に突入。「私が40歳ぐらい(37歳で厩舎開業)のときに30代のアンタがウチの担当になった。あの頃はホント楽しかったねえ。私もあと5年で定年になるが、あの頃はやりたいことをやりたいようにやってたから、定年なんて永遠にこないと思ってたよ(笑)」と橋口さんが言えば、「気遣いせず言いたいことを言えた調教師は初めて。いろいろ勉強させてもらっただけでなく、十分楽しませてももらいました」と私も同調。もう完璧に取材者の邪魔をしまくっていた(汗)。最後に「ダービーで2着が4回ある調教師なんて他にはいないでしょう。残る5年でなんとか1着になりますから」と言われてふと考えた。ダンスインザダーク(1996年)、ハーツクライ(2004年)、ローズキングダム (2010年)の3頭はすぐ浮かんだが、残る1頭が思い出せない。悩む様子の私を見かねた同師が「もう1頭は現役馬です。来年はGⅠを勝ちますよ」と言っても「……」と沈黙が続く。最後は管理馬名簿をチェックしてやっと思い出すお粗末さだった。業界人としては間違いなく失格である。大変失礼しました、そして早期復活を心から祈っていますぞ、リーチザクラウン君。

http://www.keibado.ne.jp/keibabook/itw/column.html

同感です。