梅田地下オデッセイ

巨大迷路の大阪うめちか、待望の携帯ナビ ルート検索
毎日200万人以上が歩く「巨大迷路」のような大阪・キタの地下街。携帯電話で目的地までのルートを無料で検索する「うめちかナビ」が8月の登場以来、大人気だ。アクセス数は予想の10倍。それだけ迷っていた人たちが多かったということのようだ。
「大阪」「梅田」「西梅田」「東梅田」……。キタの地下街はJR、阪急、阪神大阪市営地下鉄の7駅をつないでいる。特に迷いやすいのが乗り換えルートだ。
「うめちかナビ」の携帯電話サイトに接続すれば、駅名を選ぶだけで瞬時に道筋を示してくれる。阪急梅田駅前の大型ビジョン「ビッグマン」など定番の待ち合わせスポットやトイレ、コインロッカーなども調べられる。自分がどこにいるか分からなくなった時は、各階段に付いている番号や、約200カ所に掲示された3けたの「ここどこ番号」などを入力する。
サイト開発の中心は、地下街「ホワイティうめだ」を管理する大阪市第三セクター、大阪地下街株式会社。ICT(情報通信技術)を使った地域づくりを支援する総務省の「ユビキタスタウン構想推進事業」の交付金4900万円を、システム構築費に充てた。
キタの地下街が誕生したのは1963年。ホワイティうめだ(当時はウメダ地下センター)に続き、ドージマ地下センター、ディアモール大阪がオープンした。この3地下街を合わせた総面積約8万平方メートルは日本最大級だ。
地下街はさらに阪急三番街大阪駅前第1〜第4ビルなど、周囲のビルの地下店舗街ともつながる。あまりの広さと複雑な構造、利用者の多さに、90年には近畿管区行政監察局(当時)から「安全面も利便性も難あり」と指摘を受けたほどだ。
以来、3地下街の事業者などが横断組織をつくり、案内看板の表記を共通にしたり、地図を配ったりしてきた。それでも「迷ってしまう」という声は後を絶たなかった。
サービス開始の8月6日から9月5日までの閲覧数は6万4420件。「開始直後1カ月は6千程度」という想定を大きく上回った。パソコンでも閲覧でき、こちらは12万5734件にのぼった。
車いすやベビーカーの利用者向けに、段差のないルートを探せることも特徴だ。開発を請け負った地理情報システム大手のパスコ(東京)が段差の位置や高低差などを調べ、地図情報に盛り込んだ。
ただ、電動車いすを利用する兵庫県宝塚市坂上正司さん(46)は「エレベーターに乗るときに呼び鈴で警備員を呼ばないといけないビルがある。サイトが表示したルートではなく、遠回りでもスロープを使うルートのほうが便利だった」と話すなど、課題は残っている。
サイトを運営する大阪市都市工学情報センターには「梅田だけでなく、難波や天王寺の地下街の案内も作って欲しい」という要望も寄せられているが、担当者は「当面は利用者の意見をもとに、うめちかナビの改善を重ねていきたい」と話している。
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■梅田地区の地下街(左から、開業年、地下街名称、事業者、面積)※87年にウメダ地下センターを「ホワイティうめだ」に改称
1963 ウメダ地下センター1期(大阪地下街株式会社) 19167平方メートル
1966 ドージマ地下センター(堂島地下街株式会社) 8122平方メートル
1970 ウメダ地下センター2期 8864平方メートル
1974 ウメダ地下センター3期 3305平方メートル
1995 ディアモール大阪大阪市街地開発株式会社) 40500平方メートル
計79958平方メートル

http://www.asahi.com/national/update/1016/OSK201010160073.html

今はそんなに迷わずに歩けますが、初めて梅田に行ったときはまったくダメでした。いったん地上に出て現在地を確認しながら目的地まで歩いたものです。