佳き日本人

両陛下が被災した北茨城市を訪問 黙礼 地元の魚味わう
天皇、皇后両陛下は22日、東日本大震災津波の被害を受けた茨城県北茨城市の被災現場を訪れ、避難所を見舞った。両陛下の被災地訪問は、千葉県旭市に続き2カ所目。この後、大型連休の前後には東北の被災地を訪問する予定だ。
北茨城市の大津漁港では、鈴木将之・漁協組合長が、長さ150メートルにわたり決壊した防波堤や打ち上げられた漁船などを指さして被災状況を説明した。両陛下は、流された行方不明者がいると聞くと、沖合に向かって黙礼。また、近くの家屋倒壊現場でも女性の死者が出たことを知ると、現場に向かって深々と頭を下げた。
両陛下は避難所の北茨城市民体育館も訪問。秋葉勝美さん(72)はともに避難してきた妻を今月8日に肺炎で失ったといい、天皇陛下は「それは残念なことでしたね。お寂しいですね」と気遣った。新聞紙で作った折り鶴を飾って迎えた鈴木美恵子さん(81)らに皇后さまは「どんなにか怖かったことでしょう。お体に気をつけてくださいね」と励ました。
視察や慰問に先立ち、両陛下は橋本昌知事、豊田稔市長ら地元関係者と昼食会に臨み、前日に大津漁港で水揚げされたカレイ、ヒラメ、穴子などの魚料理を味わった。天皇陛下はこの席で、原発事故の風評被害に関連して、国民や関係者もきちんとした知識に基づいて行動すべきではないかとの趣旨の感想を口にしたという。

http://www.asahi.com/national/update/0422/TKY201104220480.html