3冠阻止

ウォー3冠阻止いける
6番人気のフェイトフルウォー(牡、伊藤伸)が低評価を覆す走りで春の雪辱を果たした。勝ち時計はコースレコードに0秒2差と迫る2分10秒3。最後は皐月賞、ダービーの上位組を突き放す完勝で、オルフェーヴルの3冠阻止へ堂々と名乗りを上げた。2着トーセンラー、3着サダムパテックの3頭が菊花賞の優先出走権を獲得した。
夏を越え、少しだけ大人になった“やんちゃ坊主”フェイトフルウォーが、オルフェーヴルの3冠阻止に名乗りを上げた。
抜群の手応えで直線に向くと、外から一気に先行馬をとらえる。皐月賞、ダービーで先着を許した相手を従えて先頭へ。京成杯を勝ち、自分の庭とも呼べる中山で春のうっぷんを晴らした。前半1000メートル57秒5という超ハイペースにも惑わされず、しっかり脚を残し、ゴール前はさらに突き放した。初コンビの柴田善騎手は「気分が向けば走ると思っていたので、返し馬から気分を害さないことを心がけた。楽に4角を回ってきたし、これなら(菊花賞も)ちょっと楽しめるんじゃないかと思う」とラスト1冠への手応えを口にした。
皐月賞は外枠でためが利かず、ダービーは道悪で気分を害した。一戦ごとに馬体重が減っていた影響もあり、ともに2けた着順。大一番では真価を発揮できずに終わった。夏場は宮城・山元トレセンで休養、馬体の回復を図った。伊藤伸師は「本当はもう少し大きくなって帰ってきてほしかったが、装鞍(そうあん)所で見た体は張りがあって良かった」と数字に表れない馬体の成長を口にした。
精神面も少しだけ大人になった。新馬戦では返し馬で放馬。この日も4角手前で外に逃げようとして「らしさ」を見せたが、その後はスムーズに伸びた。普段の調教でも以前なら抑えきれない4ハロン70秒台のキャンターをこなせるようになり、大人のフェイトに変身しつつある。
ステイゴールド、母父メジロマックイーンは、くしくもオルフェーヴルと同じ血統背景。トレーナーも「同じ配合だからね。少しでも追いつけるように頑張りたい。本番が楽しみ」と白い歯を見せた。ストップ・ザ・3冠。そして84年のシンボリルドルフ以来となる、同レースから連勝での菊制覇へ。秋の淀で「重大な戦い」に挑む。

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