凱旋門賞

ペリエ、ダムール警戒
日本馬の強さを、欧州最高峰の舞台を誰よりも知る男が、ヒルノダムールを警戒している。ヴェルメイユ賞の覇者ガリコヴァとのコンビで挑むオリビエ・ペリエ騎手(38)=フランス=が、胸の内を語った。4度目の制覇へ向けて、ライバルとして挙げたのはリライアブルマン、サラフィナ、そしてダムール。操縦性の高さ、ロンシャンと似ている京都でG1を勝った実績を高く評価した。なお、29日に登録が締め切られ、レースは最大で16頭立てになる。
「世界で一番美しいレース」。凱旋門賞3連覇(96年〜98年)の実績を持ち、日本でもおなじみのペリエが決戦の日を前に青い瞳を輝かせる。
4度目のVへ、今年は仏G1のヴェルメイユ賞を勝ったガリコヴァとのコンビで参戦。「夏を越して良くなったんだ。もちろん1着しか狙っていないよ」。そう話す凱旋門賞男は3頭をライバルとして挙げた。「今年はレベルが高い。強敵なのは、リライアブルマンにサラフィナ。そして日本馬。ヒルノダムールだね」。欧州以外の調教馬には優勝経験がないが、警戒する理由がある。「日本馬にはスピードとタフさがある。それにロンシャンは京都競馬場に似ている。彼は天皇賞(春)を勝っているんだから」。ハンドリングのしやすさはアドバンテージになると説明した。
ペリエはダムールの手綱を取る藤田とも親交が深い。「シンジとはフォワ賞のレース前に、いろいろ話をした。仕掛けどころもなるべく待った方がいいって伝えたんだ。彼はうまく乗ったよ」。前哨戦ではサラフィナに負けたが、逆転の目はあるのだろうか。「ダムールは休みが長かったからね。叩いた分、いいんじゃないかな」。プラスアルファを携えて本番に挑むだけに、チャンスは十分にあると分析する。
日本でも“ペリエマジック”と呼ばれるほど絶対的な信頼を集め、近年日本で活躍する外国人ジョッキーの先駆者的存在の彼は話す。「日本馬のレベルが高いのは僕が一番知っている。ドバイワールドCを勝ったけど、今回勝てばそれを超える快挙だよ。重みが違うからね」。ダムールが歴史を動かす。ペリエの真剣なまなざしが、実現が可能だと語っていた。

http://www.daily.co.jp/horse/2011/09/30/0004512874.shtml