父vs息子

キングリー和田父 打倒竜二
競馬はブラッドスポーツと呼ばれ、世界で走っているサラブレッドは18世紀まで先祖をたどることができる。JCダートに参戦するヤマニンキングリー(牡、河内)は、今秋6歳にして初めてダートのシリウスSに出走し、いきなり圧勝した。「父親がアグネスデジタルやからな」と河内師は言う。その父は現役時代G1を6勝したが、内訳は芝が4勝でダートが2勝。やはり血のなせる業なのだろう。
キングリーを担当する和田守厩務員は63歳の大ベテランで、かつてトーヨーシアトルで統一G1の東京大賞典を制した。「でも、まだJRAのG1は勝ったことがない。勝てたらいいのになあ」とこのJCダートに強い思いを抱く。その前に立ちはだかるライバルは多いが、愛息もその1人。ワンダーアキュートで参戦する和田竜二騎手(34)は同厩務員の次男なのだ。
2走前の朝日CCで4着に惜敗した時の勝者も、ミッキードリームに騎乗した和田騎手だった。「悔しかったけど、竜二が勝ったのは良かった。複雑な気分」と和田厩務員は振り返る。今回は最高峰のレースでの対戦となるが、父子とも「G1で一緒に走った記憶はない」と話しており、G1での初対決に胸を躍らせる。
父は「キングリーが1着で、竜二が2着が理想」とニヤリ。息子は「一緒に走る時もおやじの馬が走ればいいのにと思っている。なんせ家計がかかっているからな(笑い)」とエールを送る。キングリーはもう1つの血のドラマを背負って走る。

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