ええですなあ

自腹で鉄道運転士デビュー 訓練費700万円 千葉
訓練費700万円を自己負担することを条件に鉄道の運転士を養成する「いすみ鉄道」の社会人向け事業の1期生4人が、ディーゼル列車の運転士の国家試験に合格した。退職金や貯金をはたいて夢に挑戦した中年の男たちは来春にも運転士としてデビューする。
いすみ鉄道は、大原(千葉県いすみ市)―上総中野(大多喜町)間の26.8キロでディーゼル車を運行するローカル線。慢性的な赤字の一方でベテラン運転士の引退時期が迫り、全国で初めて訓練費用の自己負担を条件に運転士の希望者を募った。
1期生は、元バス運転手の高崎浩さん(51)と元IT関連会社員の武石和行さん(44)、元家電量販店社員の富岡隆さん(44)、元オートバイ販売会社員の吉井研治さん(53)。東京や広島など全国各地から募集に応じ、国土交通省の動力車操縦者資格(甲種内燃)を目指して昨年5月から訓練に取り組んできた。
学科試験は今春までに4人とも合格したが技能試験が難しかった。昨年12月と今年5月の技能試験はいずれも不合格。3度目となった11月の技能試験で4人同時に合格を果たした。
これから客への対応や非常時の訓練を行い、社内の「見極め試験」に合格すれば契約嘱託運転士として1人で乗務を始める。順調にいけば来年5月ごろにはデビューできる見込みだ。
武石さんは「小さい頃から鉄道が好きだったけれど、就職が国鉄民営化に重なって採用がなかった。夢がかなった」。富岡さんは「新しいことに挑戦できると思い応募した。合格で最初の一歩を踏み出せた」。
最年長の吉井さんは実技試験の前に緊張から神経痛になったという。「不合格だったらどうしようと心配だった。仲間に励まされて頑張ってこられた。利用者を思いやれるプロの運転士になりたい」と意気込む。
鳥塚亮社長は「本当に頑張ってくれた。こういう生き方があると、多くの方への励ましにもなる」。
現在、2期生の2人も訓練中で、来年1月には3期生4人の募集説明会を予定している。問い合わせはいすみ鉄道(0470・82・2161)へ。

http://www.asahi.com/national/update/1221/TKY201112200687.html