恐るべし、3冠馬

tk33082011-12-25

いやいや、勝ってしまいましたな。古馬の一線級を相手に大外一気のまくりで圧勝。しばらくはこの馬を中心に日本の競馬界は回っていくことでしょう。

オルフェ4冠!天下統一!
現役最強、いや史上最強だ。雲がかかり、薄暗さを増した師走の中山で、黄金色の馬体がひときわ輝いた。女傑ブエナビスタを抑えて、1番人気に支持されたオルフェーヴルが、大外から12頭を豪快に差し切って3歳4冠目を獲得。11万を超える大観衆に、3冠馬の強さを見せつけた。
「内の馬も来ていることは見えたが、ねじ伏せるように伸びてくれた。もう“強かった”という言葉しか出てこない」
池添謙一騎手(32)=栗東・フリー=が、興奮冷めやらぬ表情で振り返った。
秋2戦にはなかった、まさかの出遅れで序盤から厳しい展開をしいられた。前半1000メートルは1分3秒8の超スローペース。最後方まで下がり、行きたがる面も見せるなど、一時は絶望的と思われた。
しかし、それらは3冠馬にとっては些細なことだった。向こう正面で外に出されると、2周目3コーナーから進撃を開始。「沈みこむ感じで抜群のスピードの乗り」というコーナリングで5番手に取り付き、直線入り口で早くも前を射程圏に入れた。さすがに相手は歴戦の古馬。内から伸びた昨年のダービー馬エイシンフラッシュに抵抗されたが、直線半ばで先頭に立ってからは一度も前を譲らなかった。
検量室前に引き揚げてきた池添は「よっしゃあ!」と、馬上で力強く両腕を突き上げ、喜びに浸った。「3歳世代が弱かったから3冠が獲れたと言われたりもしたが、この馬が一番強いと自信を持って乗った。日本最強を証明できてよかった」。女傑ブエナビスタとの最初で最後の対決を制し、オルフェーヴルは正真正銘の日本一に輝いた。ジョッキー自身も05&06年の武豊騎手、07年の安藤勝己騎手と並ぶ年間最多記録のGI6勝目となった。
池江泰寿調教師(42)=栗東=は、装鞍所で体つきを見て勝利を確信していた。レース後には「力が抜けているのがわかっていた。2キロの斤量差があったから3馬身くらい差をつけると思っていたけど、さすが古馬だね」と本音をポロリ。09年の全兄ドリームジャーニーとの兄弟制覇は有馬史上初となった。
この勝利で来年のプランが上方修正されるかもしれない。「揚がってきても息がすぐに整った。これならドバイもなきにしもあらず」とトレーナーは来年3月31日に行われるドバイ国際競走のドバイワールドCか、シーマクラシックの参戦をほのめかす。最大目標である秋の凱旋門賞の前に世界で雄姿が見られるかもしれない。
「遅生まれ(5月14日)なので、乗るたびに乗り味や走り方が全然違う。来年はもっと良くなるし、夢が広がります。きょうは日本一を証明できたし、来年は世界一をとりたい」
主戦の池添が胸を張る。国内最強から世界最強へ。オルフェーヴルの新たな伝説が、ここから始まる。

http://www.sanspo.com/keiba/news/111226/kba1112260510020-n2.htm