アンカツからのコメント

このたび、地方競馬在籍時代から数え、37年間の騎手生活に終止符を打ち、
騎手を引退する決意をいたしました。
体は至って健康なのですが、昨年の夏ごろから、自分が思うような騎乗が出来なくなりつつあり、引退を意識し始めました。JRAに移籍後、9年間毎年勝たせていただいていたGIレースも、
昨年は勝つことができず、これ以上、自分が思うような騎乗ができないのであれば、プロとしてケジメをつけ、引退しようという決心をいたしました。
1995年、笠松ライデンリーダー号とともに、初めて中央競馬のGIレースである、桜花賞に騎乗したことを機に、なんとしても中央競馬のGIレースを勝ちたいという気持ちが大きくなり、JRAに移籍したいという思いになりました。これまで、たくさんの素晴らしい馬たちに騎乗させていただきましたが、その中でも移籍した2003年、念願であった中央競馬での初めてのGI勝利を、高松宮記念でもたらしてくれた、ビリーヴ号は特に思い出深い馬になりました。あの日の感動と興奮は、今でも鮮明に心に刻み込まれています。
これまで、JRAでの10年間は、いいこともたくさんありましたが、悔しかったことも多く、負けた日の夜には眠れないということもありました。それでも、毎週楽しく競馬に乗っていたつもりではいましたが、引退を決断した今、正直気持ちが少し楽になったということを思えば、それなりに自分でもプレッシャーを感じていたのかもしれません。
移籍した当初は、42歳という年齢で新しいステージに挑戦することに対して、果たしてどこまでやれるのかと思っていましたが、自分自身の気力も充実した中で、納得のいく騎手生活を送ることができましたのも、たくさんの素晴らしい馬や、馬主様、厩舎や牧場関係者の皆様に支えられてきたおかげだと、心より感謝しています。
今後については、まず少しのんびりとしてから、考えていきたいと思っていますが、騎手を辞めてしまっても、競馬からは離れられないでしょうから、また新たな形で競馬に携わっていければと考えています。
最後に、これまでたくさんのご声援をいただきました競馬ファンの皆様、これからも馬や騎手、そして競馬を応援してください。長い間、本当にありがとうございました。
2013年1月30日
安藤勝己

http://www.j-grip.com/news/news/?id=760

昨夜帰りの電車でこのコメントを読んでいたらグシュグシュになってしまい、前に座っていた人に怪訝な顔されてしまいました。
それにしても思い出の馬は高松宮記念のビリーヴかあ、あのときは「ついこないだ移籍してきたとこやのにもうG1勝ちよった」とあきれたモノですが。
お疲れさまでした。