故郷のある人はよろしわなぁ

故郷が好きだから 富山―東京、遠距離通勤で俳優活動
朝日町のJR泊駅近くにある「Studio&Gallery Cafe ふかみ」に行くと、笑顔でコーヒーをいれてくれる。実家である店を手伝っている。本業は女優。宝塚歌劇団出身の美しさと演技力を生かし、時代劇、サスペンス、ホームドラマなどで活躍する。朝日町から東京へ通って。
富山市に住んでいた中学2年のとき、関西へ遊びに行って初めて宝塚歌劇をみた。レビュー、ラインダンス……。華やかな衣装で踊り、歌うスターの姿に圧倒された。家に帰っても、テレビに時々出ていたタカラジェンヌ真琴つばさにあこがれた。
中2の秋、担任の教諭に「そんなに宝塚が好きなら、宝塚音楽学校を受けてみたら」と言われ、「入ればいいんだ」と一念発起。週末には兵庫県宝塚市の受験スクールにも通い、レッスンを重ねた。高1のとき、2度目の受験で競争率約30倍の難関を突破。宝塚音楽学校に入った。
卒業して「愛紗もも」の名で舞台デビュー。宙組の娘役として舞台を重ねた。次第にテレビなど「外の世界」への関心が高まり「挑むなら若いうちに」と約3年いた宝塚歌劇団を退団。「感情をよりリアルに伝えられる」テレビに移った。好きな時代劇「水戸黄門」にも出演。俳優の里見浩太朗、東幹久らと共演した。
活動拠点を東京から朝日町に移したのは、東日本大震災がきっかけ。震災後、朝日町の実家でしばらく過ごしたとき、富山の自然やのんびりした空気にいやされた。朝日町に住めば、地元放送局の番組の仕事ができて、家族とも一緒に過ごせる。所属事務所の了解を得て、遠距離通勤で女優を続けた。
「女優として、ドラマや番組のテーマを自然に伝えられる表現をしたい。地元の放送局では、富山のよさを県内外に伝えたい」。自然体で目標を目指している。直近では、31日午後1時25分から富山テレビで放送される「大阪女子会3人旅」に出演する。

http://digital.asahi.com/articles/OSK201303260226.html