ハルカス開業

ハルカス近鉄本店が開業 なにわの百貨店競争激しく
高さ300メートルの日本一のビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に、百貨店の「あべのハルカス近鉄本店」が13日、部分開業した。開店前から約100人の行列ができ、予定を50分早めて午前9時10分に店を開けた。来春の全面開業時には売り場面積が10万平方メートルと、百貨店で国内最大となり、大阪の百貨店競争はますます激しくなる。
列の先頭にいた京都市伏見区の会社員、中村進也さん(27)は午前3時から開店を待った。「阿倍野に来るたびにビルがどんどん高くなっているなと感じていた。日本最大級のレストラン街を見るのが楽しみ」と興奮気味に語った。
目玉の吹き抜け空間「ウエルカムガレリア」(2〜4階)のそばにいた大阪市平野区の女性(29)は「明るく開放的。若者もたくさん来そう」と驚いた様子。「デパ地下」に足を運んだ大阪市生野区の洋服リフォーム店経営、南本貞彦さん(70)は、広々とした店内に「ごちゃごちゃしていなくていい。キタは背広の人が多くて堅苦しい。僕はこっちのほうが好きや」。
13日に開業したのはタワー館(地下2階〜地上14階)。隣接するウイング館は来春までに順次改装オープンする。
初年度は売上高1450億円、来店客数4500万人を見こんでおり、大阪では阪急百貨店うめだ本店に次ぐ規模となる。展望台(58〜60階)やホテル、オフィスなど、ハルカス全体も来春開業する予定だ。
大阪では百貨店の開業・改装ラッシュが続いている。キタでは2011年の大丸梅田店の6割増床を皮切りにJR大阪三越伊勢丹の開業、12年には阪急うめだ本店が3割売り場を広げた。ミナミでも11年に高島屋大阪店が4割増床した。
各店は「商圏が異なり対策はとらない」(大丸)、「うちは固定客が多く、影響は少ない」(高島屋)とひとまず静観の構えだが、業界では「過当競争」もささやかれている。

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