裁かれるべきはこの国のありよう

ヤギ盗んだベトナム人2被告に執行猶予判決 岐阜地裁
岐阜県美濃加茂市で昨年8月、除草用に飼われていたヤギを盗んで食べたとして、窃盗罪に問われたベトナム国籍の無職ブイ・バン・ビ被告(22)と、同レ・テ・ロック被告(30)=いずれも愛知県春日井市=の判決公判が27日、岐阜地裁であった。四宮知彦裁判官は「安易で身勝手な動機で責任は重いが反省し、更生の意欲を示している」と述べ、2人に懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、2人は仲間と共謀し、昨年8月9〜10日、美濃加茂市の公園で岐阜大学教授が管理するヤギ2頭(時価計約7万円)を盗むなどした。
2人は化粧水などを盗んだ窃盗事件や出入国管理及び難民認定法違反の罪にも問われており、検察側は「自己中心的で動機に酌量の余地はない。犯行態様は悪質」と主張。弁護側は「被告は反省している」、「犯行に至る経緯は同情に値する」などとして執行猶予付きの判決を求めていた。
法廷での供述などによると、ロック被告はベトナムの田舎町でタクシーの運転手をしていたが、銀行から借金した約150万円を仲介会社に支払い、農業の技能実習生として来日。長野県の農業会社でトマトを育てる仕事に就いたが、厳しい勤務と環境に耐えられずに逃げ出し、愛知県日進市の土木会社で仕事を見つけたものの、2014年3月に在留期限が切れて解雇された。その後、食料品を万引きするなどして食いつないでいたという。
ロック被告は公判で、「一生懸命働いてお金をためてベトナムの家族に送るために日本に来ました。7カ月頑張りましたが疲れてしまい、会社を逃げ出しました。ベトナムに帰ろうと思ったが、借りた150万円を返していない。今、帰ったら家族が困る。命を守るため万引きしました。本当に申し訳ありませんでした」などとする謝罪文を提出していた。

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