久賀さんのコラム

毎年ダービー当日になると、エプソムにはとある超有名人がやって来る。
ご存じの方も多いと思うが、エリザベス2世女王陛下がご来場されるのである。女王陛下は王室自らが主催するロイヤルアスコット開催と、ダービーには必ずご来場される。
日本だと天皇陛下がご来場される場合、スタンドからお手を振られる形になるけど、エリザベス女王の場合はまず競馬場にやって来るところから始まる。1レースが始まる前に、女王陛下の公用車であるベントレーに乗って、エプソムの最終コーナーであるタッテナムコーナーから直線外ラチ沿いの馬場の上をゆっくりと走って来る。私はこの時たまたまスタンド前の外ラチ付近にいたのだけれども、女王陛下と目が合った・・・ような気がする。
グランドスタンド前を通り過ぎ、クイーンズスタンドの前までベントレーは進む。女王陛下がベントレーから降りると、国歌"God Save the Queen"の合唱がある。そして、女王陛下自ら歩いてスタンドへ入って行く。今年90歳を迎えた女王陛下だが、まだまだお元気である。それにしても、女王陛下がご覧になるからクイーンズスタンドなのだね。燕尾服にシルクハットがドレスコードとして指定されてるのも納得だ。私なんぞがうっかり入ってはいけない世界。金払えばいいよね、という問題ではないと思う。
ところで、エリザベス女王といえば馬主としても有名である。今年のダービーには出走馬はなかったが、過去には所有馬が出走したこともあり、しかも1番人気になったこともある(3着だった)。女王陛下は1000ギニー2000ギニーオークスセントレジャーは所有馬で勝利したことがあるので、クラシックで唯一ダービーのみ未勝利だ。
ダービーの前日、つまりオークス当日のエプソムには女王陛下の所有馬が出走していた。女王陛下の勝負服は紫に赤袖、金の飾りがついているというかなりカッコいいもの。もちろん女王陛下の馬だからといって何か優遇されるということはなく、普通に走るんだけどね。なお、プログラムや新聞などの馬主の欄には"The Queen"と表記される。         

http://archives.mag2.com/0000000816/