「愚兄賢弟」は松竹新喜劇、北朝鮮は「普兄冷弟」

容疑者の女「男にいたずら頼まれた」 正男氏殺害
北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)総書記の長男、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、15日に逮捕された女が取り調べに対し、「自分は旅行者で、いたずら目的で(正男氏に)スプレーを吹きかけた。殺害するつもりはなかった」などと供述した。中華系マレーシア紙「東方日報」(電子版)がマレーシア警察幹部の話として伝えた。
女はベトナム旅券を持つドアン・ティ・フォン容疑者(28)。旅券にはベトナム北部ナムディン出身と記されている。また、マレーシアの国営ベルナマ通信によると、マレーシア当局は16日、新たにインドネシア旅券を持つ女、シティ・アイシャ容疑者(25)を逮捕した。
東方日報によると、フォン容疑者は調べに対し、友人の女と、男4人とともに観光目的でベトナムからマレーシアを訪れたと説明。事件当日の13日にクアラルンプール国際空港に到着後、男4人から「乗客の1人にいたずらをしようと持ちかけられた」とし、スプレーを吹きかけるよう指示されたと供述したという。
空港に設置された監視カメラの映像から、具体的に犯行手法を指示した男4人は、現場近くのレストランで正男氏を襲撃する様子を見守っていたとみられている。実行犯とみられる女2人は犯行後、空港からタクシーで逃走したことが確認されている。
フォン容疑者は、逃走後に空港近くのホテルで仲間らと合流したが、14日になって仲間全員が突然いなくなり、15日朝に空港に戻った、とも説明しているという。
一方、韓国の金炳基議員は16日、情報機関「国家情報院」が国会で報告した内容をラジオ番組で明らかにした。それによると、金正恩(キムジョンウン)氏は異母兄の正男氏について「嫌いだ。やってしまえ」と周囲に語っていたといい、国情院は、正男氏殺害は正恩氏の指示だったとほぼ断定したという。(クアラルンプール=都留悦史、ソウル=牧野愛博)

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