8年前のことを・・・

tk33082006-02-18

"彼"は私が担任しているクラスの生徒でした。宿泊オリエンテーションのクラス対抗スポーツ大会でペアのいない子に「僕がペアになったげる」と言ってくれるような優しい子でした。
その日は体育祭の練習が終わってから職員会議でした。会議が終わったとき"彼"の友人が職員室に駆け込んできました。大急ぎで"彼"のもとへ行くとすでに倒れて意識がありません。ほどなく救急車が来て"彼"が運ばれていきました。私は家に電話してお母さんに事情を説明。運ばれた病院が分かったらまた連絡します、と言って電話を切りました。しばらくすると病院が分かったのでお母さんに電話。私はひとあし先に病院へ。卒業生が受付にいたので聞くと「まもなく手術」とのことでした。お父さん・お母さんがやってきてから手術開始。手術は真夜中までかかり、術後執刀医の説明をボンヤリとした気持ちで聞いていました。
しばらくは病院のICUの控え室に泊まり込み、そこからガッコへ行く生活が続きました。当時の教頭センセに「帰れ」と言われなかったらずっと病院に泊まり込んでいたかも知れません。
それから2週間後、脳死の判定が出てその1週間後に"彼"の心臓は動くのをやめました。病院から運び出される"彼"を見送ってからお母さんと「泣かないでおこう、"彼"が天国へ行けないから」と言いましたがあふれてくる涙を止めることはできませんでした。
お通夜の時はもうボロボロでした。からだの中にこんなに水分があるのか、と思うくらい涙が止めどなくあふれてきました。
"彼"の心臓は止まってしまっているのになぜ私の心臓は動いているのか?そう考えるとよけい涙があふれてきました。
お葬式のときも同様で、いろんなことを考えれば考えるほど涙があふれてきました。お葬式が終わってクラス全員と教室に戻って私はこう言いました。「忘れない、でもキチンとお別れしよう」と。

あれからもう8年。今回またこんなことがありましたが君たちにも同じことを言います「忘れない、でもキチンとお別れして彼の分も精一杯生きてください」と。