天皇賞記事その2

伝統のG1を台無しにしたラフプレーは、最終4コーナーを回ってすぐの直線入り口で起きた。逃げるコスモバルクが外にフラついたのを察知して、その4頭分ほど外を走っていたエイシンデピュティが敏感に反応。急に外に斜行するのを柴山は制御できず、あおりを受けたアグネスアークシャドウゲイトダイワメジャーアドマイヤムーンが、馬体をぶつけ合うようにして外に飛ばされた。完全にブレーキをかける形になったメジャー(9着)、ムーン(6着)はこの時点で圏外に去った。
連覇の夢が消えた安藤勝は鬼の形相で引き揚げてきた。「さあ、これからという時にバランスを崩されて馬が斜めになってしまった。内はガラッと空いていたし、こんなことなら逃げれば良かった」とため息交じりに振り返った。
メジャーの直後にいた岩田も「あれじゃ競馬にならん。ぶつけられて馬がかわいそうや。後ろで安藤さんの悲鳴が聞こえた。いいスタートが切れたし、これからという時だから」と時間の経過とともにこちらの怒りも増す一方だ。
3着カンパニーの福永は、デピュティの斜行の“遠因”となったコスモバルクの五十嵐冬を非難する。「結果的に柴山さんがアウトになったけど、五十嵐も悪い。外にヨレて、また内に戻って…。僕も前をカットされた。ダービーもジャパンCの時もそう。もうG1に乗らないでほしい」。審議の結果、柴山は騎乗停止、五十嵐冬は戒告となったが、2、3番人気馬が一瞬に消え、ファンの馬券の損失も甚大だ。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2007/10/29/04.html