さあ、ドバイへ

国内ダート戦を完全制圧!いざ、ドバイでリベンジへ!!今年最初の中央G1「第25回フェブラリーS」が24日、東京競馬場で行われ、断トツ人気のヴァーミリアンが完勝。昨秋からダートG1・4連勝を達成し、昨年4着に敗れたドバイワールドカップ挑戦へ弾みをつけた。鞍上の武豊騎手(38)は88年菊花賞スーパークリーク)から21年連続のG1制覇となった。「完ぺきでした」。レース後の武豊の第一声に尽きる。スタートからゴールまで非の打ちどころがないレースぶり。ヴァーミリアンが「チャンピオンホースらしい走り」(武豊)で新たな勲章を手に入れた。
武豊が「いつも半馬身は遅れる」と課題に挙げていたスタートだったが、絶妙のタイミングでクリア。「無理に内に入れるつもりはなかった」と先行馬を内に見る形で6番手で折り合った。久しぶりに経験するマイル戦の激流にも動じない。勝負どころの3〜4角でも馬群の外を回った。「マイルは短いくらいの馬だから、距離を余計に走る分には問題ない」。ピタリと合った人馬の呼吸。ライバル勢が追い出しを始めても、鞍上の心には余裕があった。直線で自然と内に切れ込む形で先頭に立つとさらに加速。吹きつける激しい向かい風を切り裂くように、追いすがるブルーコンコルドを突き放し、1馬身3/4の決定的な差をつけてゴールした。
前走・東京大賞典からプラス7キロでの出走。数字を見た瞬間「気持ち重いと思った」という石坂師。だが、パドックで馬を見ると「堂々として(馬が)自信を持って歩いている感じだった」と不安は消えた。「この距離で勝つことができて、ようやく日本の最強馬と胸を張れる」と師は愛馬を称えた。
これでダートG1・4連勝。名実ともに日本最強となったヴァーミリアンは、世界最高賞金のドバイワールドC(3月29日、ナドアルシバ競馬場ダート2000メートル)を目指す。「今回負けて、先生が“遠征をやめる”と言い出すのが一番怖かった。きょうのレースぶりなら、かなり楽しみを持ってドバイに行ける」と力強く宣言した武豊。石坂師も「昨年に続いての遠征だからスタッフにも余裕がある。プラス体重で勝てたことで、今後の調教もしやすい」と昨年4着の雪辱に燃えている。
ドバイへの対策は?と問われた武豊は「ハンドボールじゃないし“笛を吹かれる”わけじゃないから特にないですよ」と笑わせた。馬インフルエンザによる検疫方法の変更や、直行便での輸送が不可能となるなど、まだまだ難題が山積しているが「どんな状況でも力を出し切ってくれることが分かったから」と精神面でもたくましく成長した相棒に全幅の信頼を置く。日本馬初の快挙へ。限りなく夢が広がる圧勝劇だった。
ヴァーミリアン 父エルコンドルパサー 母スカーレットレディ(母の父サンデーサイレンス)牡6歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・(有)サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦11勝 総獲得賞金7億4909万7500円。主な勝ち鞍は川崎記念JBCクラシック、JCダート、東京大賞典フェブラリーSラジオたんぱ杯2歳S、浦和記念ダイオライト記念名古屋グランプリ

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