『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

tk33082008-03-28

東京へ行く前の日、新聞で読んで気になっていたのです。今日はその映画を見に行ってきました。上映開始が9時55分だったので9時半頃映画館の前に行くとすでに20人ほどが列を作っています。おじさんおばさんもいるし、サラリーマン風の人もいます。でもなんだかみんな活動家くずれっぽく見えるから不思議。
映画自体は3時間10分の大作なのですが見応えがあり、時間を忘れてスクリーンに見入りました。実にていねいにていねいに、「なぜ彼らはあさま山荘に向かわなくてはいけなかったのか」を12年前の60年安保闘争から説明していってくれるのです。大きく分けると【1.60年安保から連合赤軍結成まで】【2.山岳ベースにおける総括という名の同志殺し】【3.あさま山荘攻防戦】の3つから成るのですが、むかし高木彬光が書いた『神曲地獄編』という本を読んで2.と3.についてはある程度知識があったので今日のところは1.が興味深かったかと。
しかし、なぜ総括に名を借りた殺人が行われるようになったのかの描写は非常に分かりやすく納得できるモノでした。永田洋子森恒夫という2人のグルに導かれた36年前のオウムという解釈をしておきます。
ラスト近くになって2つの印象的なセリフが。1つはあさま山荘で人質になっていた奥さんが彼らに「どちらにも付かず管理人としていて欲しい」と言われて答えるセリフ、「裁判になることがあっても証人として呼ばないで」。この映画の中でいちばん現実的なセリフでした。もう1つは加藤の言う「みんな勇気がなかったんだ」。この2つのセリフに彼らの置かれていた状況が端的に示されていました。
それにしてもあれから36年、彼らがお題目のように唱えていた「共産化」のお手本だった中国で資本主義の象徴的行事オリンピックが開かれようとし、それを欧米の人権派たちが非難してボイコットの動きまであります。時代は変わりました。