裁定基準2

思い出すのは、武豊降着になったメジロマックイーン天皇賞である。あの時の「降着」と今回の「降着なし」は充分に比較検証されなければならない。乗り方において、どちらが荒っぽかったといえば、論を待たずに今回の池添だろう。ただ、メジロマックイーンの場合は徐々に徐々に馬が内側に寄っていき、水上の波紋が広がるときのように、最後の一頭(たしか3枠の馬だった)に対して被害が頂点に達した。
つまり、わかりやすく判断基準の「1」を超えた。あれはあれで失格は妥当な判断だったと思うが、ならば、やはり、今回の斜行が許されていいのか、となる。誰が見ても「あの時の武豊より今回の池添の方がひどい」と感じるからこそ、レース後の後味が悪くなる。
さらに言うなら、馬の気性・悪癖が原因で他馬の進路をカットしてしまうこともある。それでも降着は適応され、4日以上の騎乗停止が課せられるケースは多い。それを考えた時にも、今回の裁定は甘すぎるのではないか。今回の場合は、馬ではなく、すべては騎手に責任があるのだから。
これは何度も言ってきたが、JRAがしなければならないことはハッキリしている。
さらなる「明確な判断基準」を求めて、しっかりと言葉を尽くすことだ。ファンに公開する形で、マスコミとの質疑応答の場を作った方がいい。さらに、こうしたケースでは、どういう形で決着したにせよ、「被害者意識を持つファン」が出現してしまう。だからこそ、池添の勝利ジョッキーインタビューなど即座に中止にして、裁決委員が出てきて状況を直接ファンに説明すべきなのだ。それは「話す中身」の問題ではない。主催者として「馬券を買ってくれたファンにどんな誠意を示すか」の問題である。そうした姿勢を示さなければ、「あー、アホらし」と競馬を辞めていくファンの数は絶対に減らすことができない。

http://blog.livedoor.jp/racecourse_ave/