血の歴史

残念ながら事後検証で気づくケースが圧倒的に多いのだが、G1レースには、しばしば血統的なヒントがちりばめられている。今年のフェブラリーSの場合も、サクセスブロッケンカジノドライヴカネヒキリの上位3頭の母系には、ある血脈が通底していた。優勝馬の祖母の父にして、2、3着馬の母の父というデピュティミニスターである。ちなみに、5着フェラーリピサは父系祖父がデピュティミニスター。結果としては3代血統表に、この血脈を持つ馬によって掲示板の8割が占有されたわけだ。後継のフレンチデピュティ、孫のクロフネを含め、今後はフェブラリーSの最重要血脈として忘れずにおきたい。4年ぶりのレコードVでダートマイル部門の頂点に立ったサクセスブロッケンシンボリクリスエス産駒。そういえば、前週のダイヤモンドSをレコードで制したモンテクリスエスも、この父の産駒だった。同一種牡馬の産駒が2週連続で重賞を勝つことはさほど珍しくないが、これに「レコード」というオプションを加えると、恐らく史上初のことではないだろうか。しかも芝3400メートルとダート1600メートルという全く異質のジャンルなのが驚きで、種牡馬シンボリクリスエスの懐の深さの証明といえる。シンボリクリスエスは2開催を終えた時点でサイヤーランキングのトップに躍り出た。総獲得賞金4億2957万4000円は2位クロフネに7000万円差。産駒数のハンデ(4歳世代が最年長)をはね返して一気のリーディング奪取があるかもしれない。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/02/24/01.html