時の流れ

南関東のアラブ
昨日の福山でアラブ単独のレースは幕を閉じました
最後の勝ち馬がザラストアラビアン。

なんとも切なくなる馬名ですね。
この2週間ばかり、アラブの話題を聞く機会が重なりました。
先週号の競馬ブックに掲載された九州の馬産地レポートのため、熊本や鹿児島の牧場を回ってきたのですが、「九州はアラブの生産が盛んだったからアラブの衰退と共に縮小されていった」という声をずいぶん耳にしました。
あさってに迫った東京盃はかつてオールカマーでアラブの出走が許されていたレースでした。
とはいってもアラブの優勝馬はイナリトウザイただ一頭。
サラブレッド相手にレコードタイムで駆け抜けたのでした。
イナリトウザイの手綱をとった佐々木竹見さんや、調教を担当していた石田調教師に話をうかがいながらアラブ全盛の1970年代にタイムトリップ。
イナリトウザイがなぜアラブの魔女といわれたのか‥、今週号の週刊競馬ブックに掲載中です。
南関東にはイナリトウザイばかりでなく強く逞しく活躍したアラブがたくさんいました。
熱くなった馬といえばトチノミネフジ、コスモノーブル、ランドアポロあたりが思い浮かびますが、JRAがアラブ廃止を打ち出した翌年の1996年の全日本アラブ大賞典を最後に大井からアラブ限定戦が終幕。
他の3場で細々と続いていたアラブも1999年の5月11日浦和オープンレースを最後に実施されることはありませんでした。
南関東最後のアラブ戦の勝ち馬はキシンガール。
鞍上は鍛炭幸夫騎手。
八年ほど前に勝負服を脱ぎ、現在は冨田厩舎で厩務員をされています。
当時のことを聞いてみると「先行してそのままだったと思う。まだこの時代はアラブをやっている競馬場も多かったから次の競馬場いっても頑張れよという気持ちだった。アラブ最後のレースだったってことも今知ったくらい」。
南関東のアラブ戦はひっそりと消えていったのでした。

http://wwwblog.keibabook.co.jp/nankan-concierge/2009/09/28.html#195354

ザラストアラビアンが勝ったレース映像はこちら、それにしてもこの馬名の馬がラストレースを勝つとは出来過ぎです。