最新医療

昨年の有馬記念直前に回避。右前脚のけいじん帯炎を発症して休養に入った。再生を託したのが最新鋭の技術、PRP注入術だ。血液を採取、分離して有効な成分だけ患部に注入するというもの。担当・甲斐助手はその効果を実感している。「有馬記念を回避する前は追い切ると脚が腫れたり、ずっとモヤモヤしていた。今はその不安がない」
再生を促す技術としてはカネヒキリの復活Vで話題になった“幹細胞移植”に近い。今回の手術のため、デピュティを担当する開業獣医が本邦初となる機器を輸入。前例がないということで農水省の認可がなかなか下りず、税関に1カ月あまり留め置かれるアクシデントもあったとか。ともあれ国内第1号の手術は成功。
甲斐助手は仕上がりに胸を張る。「ほぼ100%の状態。後のことは考えず負荷を掛けた。乗り越えてくれたんで、後は悔いの残らない競馬を」と期待する。ズブくて追走に苦労するため、腕っぷしの強いジョッキーが合う。新パートナーの戸崎は南関東リーディングで首位を独走する剛腕だ。細かい癖は大井の先輩で、宝塚記念V時の鞍上・内田がすべて伝える手はずになっている。手は尽くした。劇的な復活も夢ではない。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/10/30/01.html