珍馬名

珍馬名の「シゲル」、今年は「役職」で
今週からスタートする2歳新馬戦は、ユニークなネーミングにも注目だ。シゲル軍団は社長、理事長、本部長など「役職」がズラリと並ぶ。まずは参事のシゲルサンジ(牡、栗東・目野、父プリサイスエンド)が阪神初日4R(芝1200メートル)で初陣を切る。
局長、重役、調査役、本部長、理事長。2010年の「シゲル」の2歳はまるで会社員のようだ。しかも、平社員、ぺいぺい、窓際族までが名を連ねる徹底ぶり。オーナーの森中蕃氏は、毎年テーマを持ち、興味深い馬名をつけるが10年は「役職シリーズ」に決定。ちなみに現3歳世代はイエヤス、ケンシンなどの「歴史、武将」、4歳世代はキリガミネ、アサマヤマといった「山」、7歳世代はシテカブ、ダイハッカイ、ナリユキガイなど「株用語」が話題になった。
先陣を切るのはシゲルサンジ。土曜の阪神芝1200メートルを予定している。4月10日に入厩し、約2カ月間、休むことなくけいこを積んできた。上野助手は「本数はやっているし、ここまでとにかく順調にきた。真っすぐ走るし素直だよ」と仕上がり具合を話す。落ち着いていて、馬っぷりがいい。どこか風格が漂い「参事」という馬名がぴったりという気さえしてくる。参事の後を受け、日曜の阪神芝1600メートルにはシゲルシャチョウ(牡、栗東・鶴留)が登場する。こちらも乗り込みは十分。鶴留師は「入ってきてからすごく順調。1週目を使うぐらいだし、ゲート試験もすぐに通った。社長という名前だけに頑張ってくれるだろう(笑い)」。
翌週にはシゲルソウダンヤク(牡、栗東・五十嵐)がスタンバイ。五十嵐師も「実質初めてと言える追い切りで結構動いた。期待はあるよ」とニヤリ。また、シゲルヒラシャイン(牝、栗東・服部)は「役付き」ではないがゲートセンスが抜群。服部師は「先週(ゲート試験に)受かったんだが、びっくりするぐらい速い。あれは天性のもの。じっくりやっていくが初戦から楽しみ」と期待する。
社長や相談役を押しのけ、平社員が世代初勝利を飾る可能性も十分。「社長逃げ切り勝ち!」「相談役直線一気!」「平社員がごぼう抜き!」。アナウンスにもぜひ注目したい。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20100616-641996.html

こちら馬名は「キョカキョク」実況泣かせ
例年ユニークな馬名をつけることで知られる小田切有一オーナーの馬ではキョカキョク(牝2、高橋祥、父フサイチコンコルド)が極め付きだ。早口言葉でおなじみの「東京特許許可局」の一部だが、レース実況中継のアナウンサー泣かせとなるのは間違いなさそう。馬名登録を行っている日本軽種馬登録協会では登録できない馬名のひとつとして「実況放送、成績掲載などに支障を生じる用語」を挙げているが、審査をパスした。
既に美浦に入厩し、ゲート試験も合格。9日には坂路で54秒5をマークし出走態勢を整えつつある。初陣は夏の新潟になりそうだが、果たしてゴール前で接戦に持ち込み馬名を連呼してもらえるか。

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