七夕賞

伏兵V!ドモナラズ「どうにかなった」
夏の福島開催を締めくくる名物ハンデ重賞「第46回七夕賞」が行われ、11番人気ドモナラズが大外からメンバー中最速、上がり3F34秒7の末脚を繰り出して重賞初Vを決めた。柴田善騎手は宝塚記念ナカヤマフェスタ)、ラジオNIKKEI賞(アロマカフェ)に続く3週連続重賞制覇。手の付けられない勢いで、サマージョッキーズシリーズの首位に立った。
これぞハンデ戦、これぞ福島。横一線のし烈な叩き合いからゴール前、グッと抜け出したのは大外も大外、ドモナラズだ!!直線を向いて右ムチ10発。柴田善は「凄いねえ、この馬」と首筋をなでたが、宝塚記念、ラジオNIKKEI賞に続く3週連続重賞Vの鞍上も、また凄い。スタンドからは「今週もありがとう」の声が飛んだ。
スローの流れもわれ関せずで4角最後方。「前回乗った時(早春S12着)は他馬と接触してハナに行って負けてしまったので、抑えて折り合いをつけたかった。折り合いさえつけば、どの位置でも良かった」(柴田善)。乗れている時はジャッジにも余裕がある。「直線では横一線。どこに突っ込んでも駄目」と瞬時に判断して大外へ。これがピタリとハマり、直線だけで15頭をゴボウ抜きだ。「脚を余しても何だし、馬場も外が良かった。名前はドモナラズだけど、どうにかなったね」。丹後弁で「どうにもならないわんぱくもの」の意味通り、併せて叩き合った時に根性を発揮する長所を生かし切った。
1番人気サンライズベガとの2頭出しで臨んだ音無師は伏兵の快走に満面の笑み。「前走(福島テレビオープン4着)の出来そのままで(最軽量タイの)52キロというのが良かった。このハンデに柴田善騎手が乗ってくれたことも大きい」と勝因を語った。次走は「勝った以上、サマー2000シリーズを進む。小倉記念(8月1日)に行くぞ」と宣言。それを聞いた柴田善は「よし、小倉には行ったことがないから引退前に行こう」と大声で即答。検量室内がドッと沸いた。
サマージョッキーズシリーズも首位をキープ。優勝すればワールドスーパージョッキーズシリーズ出場権を得るが「まだ始まったばかり。この夏も大事に1鞍ずつ乗るだけだよ」と冷静。43歳、ヨシトミの素晴らしい夏は、まだまだ続く。

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/07/12/04.html