負けるなら弟に負けて世代交代

ヴァーミリアン兄弟対決必勝/JCダート
今週のメーンはジャパンCダート(G1、ダート1800メートル、12月5日=阪神)が行われる。
外国馬不在で盛り上がりを欠くが、ヴァーミリアンキングスエンブレムの兄弟対決は興味深い。同じ石坂厩舎。10勝目を狙う兄に対し、弟はこの秋の上昇度を武器に初G1に臨む。過去JRAのダートG1で2回ある兄弟対決は2回とも弟が先着している。勢いのある馬が有利の傾向だが、古川助手はキングスエンブレムに対して「素質は間違いないが、まだまだ兄の域には達してない。初のG1の舞台だし経験値を高めてくれれば」と、追い切り前の段階では控えめなトーン。となればやはり兄が威厳を見せるか。
ヴァーミリアンは1月の川崎記念で4年連続G1制覇を達成した。帝王賞の9着惨敗が力の衰えである可能性は否めないが、今回のレーティングは出走メンバー中トップの115。陣営はもうひと花咲かそうと懸命だ。帝王賞の疲れや夏バテの影響で回復が遅れるとみるや、4連覇の懸かったJBCクラシックをすっぱりと見送った。「JBCを使えなかったのは誤算じゃないよ。間隔があいてるのはいつものこと。ここ2週でレースが近いのが分かって、ピリピリしてきた。まだ少し太めだが、今週のひと追いでちょうど良くなる」。長年の付き合いになる担当の久保助手は、狙い澄ました仕上げを口にする。昨年の帝王賞や過去のJBC3勝はすべて休み明け。ぶっつけでフレッシュな状態の方が力を出せるタイプとも言える。
10月下旬から時計を出し始め、先週は武豊騎手が追い切りにまたがった。速い時計は出ないタイプだが、乗り込み量は十分。「どちらも調教で行きたがる面を見せるから、併せ馬したこともない。弟も力をつけているし、あっさり勝たれるかもな。もし、負けるなら弟がいいかな」。正真正銘の初対決を前に、弟に気遣いを見せた久保助手だが、表情は余裕たっぷり。まだまだダート界の頂点を譲る気はないようだ。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101130-708248.html

兄弟でワンツー決めてもらいましょう。それがいちばん良い結果です。