よろしいな、こんな文章書ける人は

中野 雷太アナ『 競馬のミカタ 』
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間もなく有馬記念、いよいよ今年もお終いです。皆さんにとっての2010年は、どんな年だったのでしょうか?
私中野、個人的なことを言えば、ありきたりな言葉ではありますが「楽しかった」の一言に集約されます。
3年振りに、大阪から本社勤務に戻り、僕をめぐる環境はガラリと変わりました。生活拠点の変化、平日も週末も仕事場の変化と、全てがこれまでの3年と変わったことは、やはり大きかったと思います。
とは言え、今から4年前に、大阪に向かうことが決まった時とは、これまた全てが違います。あの時は、大学時代から数えれば、約14年の時を過ごした東京を離れ、初めての大阪に向かう時でしたから、色々緊張したことを覚えています。何より初めての街ですから、それ(大阪)を知ることからまず始めようと手探りながら必死でしたし、それをしなければ何も始まらないと思っていました。そして実際に行動した時に、僕はかけがえのない財産を得ることができました。それは「人の温かさ」。そのおかげで、最初からスンナリ溶け込めたことに、僕はこれまでに無い感謝の気持ちを覚えたものでした。
人に恵まれた中、楽しく過ごした大阪での3年間を終え、再び東京に戻った自分。かつてとは違い、守るべき家族を連れての異動でしたから、それはまた、いい意味での緊張感を携えてのものでした。そして、かつてお世話になった方々との再会、仕事……心底「戻りました」ではなく、「またやってきましたので、あらためてよろしくお願いします」の気持ちで臨みました。
まずは転勤直後の東京競馬場、「あれっ、こんな感じだったっけ?」と、戸惑ってしまった最初の実況。数年前まで感じていたものとは、明らかに違いがありました。そしてそれは、中山でも同じ。夏の福島、新潟、函館、札幌もまた。ですが、そこはプロの意地があります。そして3年間、関西でやってきた、成長させてもらった自分があります。2週、3週と重ねることで、かつてよりも、高いパフォーマンスを披露できる自分になろうと心に誓い、精進を重ねるべくやってきました。
結果に関しては、自分が評価することではありません。皆さんにしていただければと思います。ただ、大阪転勤が無ければ、あのまま東京にずっと居たら、絶対に得られなかったモノが、確かに自分の中にあることだけは、自信を持って断言できます。
あと2ヶ月で、こちら(東京)にまた来て1年。最初の1年は経験の年。かつてここに居たからでは無く、新たにお世話になると決めて、人や街から色々学ぶ年。
そして2月になると2年目に入ります。今度はその経験を生かして、さらなる良化を見せる年。そして3年目は、過去2年で学び覚えたことをまとめて発展させる年。自分の中では、そう考えて日々歩んでいます。
来年は、その“2年目”に当たります。より良い仕事ができるよう、日々精進しますので、今後もよろしくお願いします。
それでは皆様、どうぞ良い有馬記念を。そして、よいお年を!!

http://www.radionikkei.jp/personality/raitanakano.html