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クラストゥス通訳は元明菜バックダンサー
短期免許で来日する外国人ジョッキーの活躍に通訳の存在は欠かせない。騎手の通訳というと専門の勉強を受けた人を想像するが、クラストゥス騎手のフランス語通訳を務める金井圭介氏(38)の経歴は異色だ。
物静かに見えるが、本業はパフォーマー。「海外から来るサーカスアーティストと一緒に仕事をしたり、通訳をしたり。今はオフシーズンでこの仕事をさせてもらってます」と言う。東京の多摩地区に生まれ育ち、中学卒業後は舞台や路上パフォーマンスで生活。パフォーマンスの世界を追求し、中森明菜やドリームズカムトゥルーのツアーでバックダンサーを務めた経験もある。海を渡ったのが27歳の時。フランスの国立サーカス学校(CNAC)で現代サーカスを学び、2年前に帰国した。
「乗馬をやるサーカスの仲間が多かったので馬は身近でしたが、もともと競馬は詳しくないんです」。当初は競馬独特の表現に戸惑うこともあった。「もたれるという言葉が分からなかった。それから馬の癖で馬群で包まれるのを嫌うからという説明を、包むと直訳したらけげんな顔をされて。ポケットに入ることだと理解してもらえた」。昨年に短期免許で来日した際も通訳を務め、今では2人で飲みに行き、ざっくばらんに話をする仲だ。
クラストゥスはマチカネニホンバレでG1初制覇に挑む。「大きなレースに乗ることができることをアントニーは喜んでいるし、一緒に勝ちたいなあって話しました」。秋には自身が出演する舞台が控え、通訳の仕事は同騎手の短期免許が切れる今月いっぱい。その前にG1の大舞台で、芸術的な差し切りが決まることを願っている。

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