桜花賞回顧

tk33082011-04-10

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昨日書いた馬券をPATで買い、TVを見ていました。ホエールキャプチャは2着に来たものの、他の馬がさっぱりで×。とはいえディープインパクトの仔がクラシック初制覇、それはそれでめでたい。

終わってみれば、やっぱりマツパク。マルセリーナレーヴディソールの無念を晴らす金星。それは同時に高らかなライバル宣言。
出れば大本命、無事に回って来られれば勝つと思われたレーヴディソールがまさかの直前での戦線離脱。各馬に一気にG1タイトルのチャンス与えられた、大混戦の桜花賞だったが、結果は人気上位馬の決着となった。半マイル通過が46秒7。平均よりちょっとだけ速い程度のペース。フォーエバーマークが1番枠を利して飛び出してペースを作る。1番人気のホエールキャプチャは、やや出が悪く後方の位置取り。外枠ということもあり、無理に追い上げずに末脚勝負を決め込む。ただ、こういう競馬もできる万能型。池添騎手も腹を決めて虎視眈々。2番人気のマルセリーナもまたスタートで隣の馬に当てられ後手。さらに他馬に被されてしまい馬群の後ろに入ってしまった。ほぼホエールキャプチャと同位置にまで下げざるを得ない苦しい位置取り。こちらはある意味では予定外だろう。一方、母子制覇を狙うダンスファンタジアは今までにない落ち着きをパドックから見せ、ここもスンナリと好位置を確保した。もう1頭のマツパク厩舎のトレンドハンターは後方で脚をためる競馬。これは予定通り。ただ、有力馬の多くが後方よりになるという意外な展開。
だが、結果的にはこれら後方にいた3頭がワン・ツー・スリーを占めることとなった。半マイルは46秒7−47秒2。先述のように46秒7という時計は、数字だけを見ればややハイペースと言えなくもない。しかも、0秒5しかペースは落ちていないとはいえ後半の方にペースダウンしている点からも、この見方は支持されうる。だが、この46秒7は、この数字だけで評価することは不十分だろう。勝ち時計の1分33秒9に占める前後半の時計の割合という観点から見てみると、それぞれ49.7%−50.3%となる。つまり、前後半はほぼ均一のペースで決してハイペースでもないと言えるだろう。こういうペースは、特定の脚質に見方するというペースではない。地力の差がそのまま出る、G1に相応しい展開。上位人気馬がそのまま上位を占めたという点からも、このことを示唆しているように思われる。
だが、一方で後方の馬が届いた要因として注目したいのは、残り600mからの11秒3の区間。直線に入った区間。0秒5の加速は珍しいことではないが、11秒8から11秒3というのは、タメが利かないままに直線前半、厳しい叩き合いが始まったことが見て取れる。ちなみにここの合計の23秒1は過去2番目に速い時計。一番速かったのは昨年のレースだが、昨年は前半が47秒5とスローだったことの反動だろう。今回はここで先行馬が一気に苦しくなり、相対的に後方待機の馬たちが温存していた脚を発揮する余地が生まれたと言えるのではないか。実際、最後の2ハロンは12秒台と今までにないペースの落ち方。前の馬が力尽きたことを示している。その意味では最後まで粘ったフォーエバーマークは誉めていいだろう。
さて、一気にチャンスが生まれた後方待機の馬。上位3頭は34秒2、3で上がり勝負を制したが、着順を分けたのはお分かりと思うがコース取りの差。後方から大外をぶん回したホエールキャプチャ、トレンドハンターに対して、インで待機して馬群の隙間を狙い若干仕掛けが遅れたものの、極端に外に出さずに済んだマルセリーナ。このコース取りの差は距離損の意味と、インの方が伸びる馬場だったという意味でも大きなアドバンテージだった。一気に突き抜けたマルセリーナが、最後まで押し切って桜花賞のタイトルを獲得した。
勝ったマルセリーナ。安藤騎手は馬の力を誉めていたが、直線での安藤騎手の騎乗は秀逸。かなり窮屈なところもあったが、前の馬群の壁を掻い潜るように外へ転進。最後は外にいたラテアートを強引に跳ね飛ばして進路を確保。インに拘らず咄嗟にスペースを見つける嗅覚はさすがだった。計算外の位置取りにも関わらず、冷静な対応。前走のエルフィンSでもスタートが決まらずにやや後ろ。道中追い上げて中団から差しを決めた。瞬発力はたいしたもの。今回は坂のあるコースでさらに切れ味増した。折り合いには問題がなさそうなタイプなので、距離が伸びても問題ないだろう。むしろスタートに不安がある分、距離延長は歓迎。
2着ホエールキャプチャは最後僅かに差しきれず、コース取りの差だろう。今回は枠順に泣いた。評価を下げる必要は全くない。オークス(G1)では逆転の可能性十分。3着のトレンドハンターは芝2戦目でこの結果。とにかく切れる。この馬も外枠。さらには中1週というローテも影響したか。4着メデタシは調教が抜群だったが、その勢いをレースでも生かせた。スピード勝負なら同世代でもいい戦いができるはず。
7着3番人気のダンスファンタジアはちょっと残念。直線では位置取りのアドバンテージを生かして、後続がやって来るのを待ってゴーサイン。だが、手ごたえのわりに伸びず。確かに前には厳しいところもあったが、あまりに淡白。気性の悪さが「元気」とリンクしている一族。落ち着きすぎていたことが却って裏目に出たか…。9着フレンチカクタスは、控えて末脚勝負。ペース的には間違いではなかったが、短距離ならともかく、切れ味では上の馬が何頭かいただけに、むしろ得意の地力勝負に持っていって欲しかったが…。

http://archive.mag2.com/0000150903/index.html