高見盛引退

tk33082013-01-28

角界ロボコップ高見盛引退 親方として後進指導
取組前の独特の所作で人気だった大相撲の元小結・高見盛関(36)=本名・加藤精彦(せいけん)、青森県出身、東関部屋=が、初場所千秋楽の27日、現役引退を表明した。十両での最後の一番を白星で飾った後に東京都内のホテルで会見した高見盛関は、「全国の人に知られて、自分にはもったいないような、恥ずかしいような、うれしいような。親方として相撲界をもっと盛り上げたい」と話した。今後は、振分(ふりわけ)親方を襲名し、東関部屋付きで後進の指導にあたる。
塩をたっぷりまき、最後の仕切りでは胸をたたき、観客と一緒に3度ほえて気合を入れる。このギクシャクした動きから、兄弟子だった元横綱曙太郎さんが映画のキャラクターをもとに名付けた「ロボコップ」の愛称で親しまれた。お茶漬けのりのテレビCMにも起用された。
人気のもととなった取組前の動きは、高見盛関にとっては恐怖に打ち勝つための儀式だった。「いつになっても土俵がおっかない」。そう語っていた。
十両から落ちたら引退」と公言し続けていた。その十両残留には今場所、7勝8敗以上が目安だった。9敗目を喫し、転落が濃厚となった後も「取り続けなければならない」と千秋楽まで土俵を務めた。
まだ、独身。会見で「身を固める予定は?」と聞かれると、顔を真っ赤にさせながら、「相撲にかけてきた時間を、そっち(恋愛)に使える。ゆっくりやっていきたい」。最後まで、周囲を笑いで包み込んでいた。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201301270083.html

この記事で衝撃的だったのは、上に貼りつけた写真手前の元高見山がすっごくダンディなおじいちゃんになっていたこと。「マルハチ、マルハチ」などと歌いながら踊っていたのは遠い昔のこと。

そうしてこれ↓が場所前の記事。

角界のため 背水の勝負(3人で110歳)

高見盛(36)
勝てば満面の得意顔。負ければ、この世の終わりのように、がっくり。取組を終えて引きあげる花道での姿に、桟敷席からは大きな拍手が起こる。
わざと演じているわけではない。「だって、勝てば本当にうれしいし、負けたら、どうしていいか分からないくらい悔しいでしょ」
次の対戦相手が誰かという発表は、前日の段階では決して見ない。知ってしまうと、緊張で眠れないからだ。「今でも、本場所の土俵は怖くてたまらない」と語る。最後に塩をまく際、握り拳で3度の気合を入れるのは、恐怖で逃げ出したい自分を鼓舞する儀式だ。
「場所中は周りが見えない」と言うが、兄弟子だった元横綱曙には「あいつはいつも見えていない」と、からかわれていた。
近所のコンビニエンスストアでゲーム雑誌を読みふけっていたら、付け人に真顔で、こう懇願された。「お願いですから、やめて下さい。関取は、あの『高見盛』なんですから」
おいしい店があると聞けば、電車でぶらりと出かけてみる。休日の楽しみだ。居合わせた乗客の好奇の目も、「全く気になりませんね」という。
一時は小結まで出世した角界きっての人気力士だが、今や引退の瀬戸際に立たされている。かつて「差せば三役以上の力」と評された右四つに組んでも、星を落とす取組が増えた。長く親しまれたお茶漬けのテレビCMからも消えた。
一昨年の名古屋場所後、それまで56場所連続で務めた幕内から十両に転落した。状況はさらに厳しくなり、先場所では、十両残留が確実となる5勝目を挙げることができたのは13日目のこと。花道で見守る付け人が、思わず「セーフ」と両手を広げたほどだった。
それでも「俺は角界の広告塔」という自負があり、「相撲界を盛り上げたい」と新年の夢を語る。そのためには、まず自分の活躍が必要。初場所で7勝未満なら幕下への転落が確実で、その時は引退、と決めている。崖っぷちの初場所が始まる。

http://www.asahi.com/sports/articles/TKY201301110290.html?ref=reca