やらされたのでしょう・・・

反則の日大選手、声を上げて泣いた 記者が見たあの試合
アメリカンフットボールの日本大―関西学院大の定期戦(6日、東京・アミノバイタルフィールド)で日大の選手が悪質なタックルなど反則を繰り返して退場となった問題で22日、この選手自身が記者会見を開くことになった。辞任した内田正人前監督による反則行為の指示があったのかどうかについて、選手本人が何を語るのか注目される。
あの日、私は試合会場にいた。関学オフェンスの最初のプレー。テレビなどで繰り返し流れているシーンだ。私は関学QBが投げたボールをカメラで追っていたため、日大の守備選手の反則は見ていなかった。二つ目の反則もボールと関係のない場所だったので見ていない。ただ、立て続けに最も重い15ヤード罰退の反則をした選手をベンチに下げないのは変だなと感じていた。そして三つ目。これもボールから離れたところで関学の選手に小競り合いを仕掛け、ヘルメットを殴った。5プレーで三つもの反則。私には、彼が何かにとりつかれているかのように見えた。
彼はここで資格没収(退場)の処分を受けた。去年の甲子園ボウルでの彼の活躍をはっきり覚えていたので、いったい何が起こったのかと感じた。フィールドから出てきた彼はスタッフに促され、ベンチ奥にあった負傷者用のテントに入った。私はそこに近づいた。
彼は泣いていた。声を上げて泣いていた。同じポジションの選手が肩に手を置いて、言葉をかけていた。関学側に回って、テントの入り口からのぞく彼の背中を撮った。
その夜、最初の反則の動画が出回った。私は自分自身が選手だったころから約25年にわたってアメフトを見てきたが、初めて見る恐ろしい光景だった。
試合から数日後、日大の別の選手が教えてくれた。「(当該選手は)最近の練習で監督にハマってたんです。スクリメージ(試合形式の練習)にも入れてもらえなくて。それで監督に言われたんです。試合に出たいなら向こうのQBを壊してこい、って」。日大側は「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手に教えることは全くございません」と否定しているが、いまはあの涙のわけが、分かる気がする。彼は第二の被害者なのではないだろうか。
覚悟を決めて会見で包み隠さず語り、けがをさせた関学のQBのところへ謝罪に行ってほしい。すべてはそこからだと思う。

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