JRA育成馬

JRA育成馬セイウンV狙う
2歳女王決定戦に続き、今週は中山で2歳牡馬チャンピオン決定戦・朝日杯フューチュリティS(GI、芝・外1600メートル)が行われる。その見どころのひとつが、有力候補のセイウンワンダーがJRAブリーズアップセール出身という点。最初のセリでの取り引き値が840万円で、BUセールでもトップながら2730万円はGIを狙える馬としては格安だ。08年JRAブリーズアップセールで最高額2730万円で落札されたセイウンワンダーが2歳チャンピオンの座を狙う。BUセールの上場馬は全てJRA育成場(日高・宮崎)で初期馴致や調教が行われ、仕上がりが早い傾向にある。セイウンワンダーの活躍について、JRA馬事部生産育成対策室の石丸睦樹調査役はこう話す。「重賞を勝ってGIに出走してくれるのは嬉しいです。でも本来の目的は育成技術を向上させ、それを民間の育成牧場に伝えて日本馬のレベルを底辺から上げていくのが最大の使命なんです」05年から始まったBUセールの出身馬で重賞ウイナーはダイワパッション(’05GIIIフェアリーS、’06GIIフィリーズレビュー、3045万円)とセイウンの2頭。それ以前の04年までは抽せん馬として多くの馬が活躍した。
セイウンは07年7月の北海道セレクションセールでJRAが840万円で落札。その後は日高育成場で調教を積み、今年4月28日の中山でのBUセールで取り引きされた。「1歳の頃から馬体はしっかりしており、気が強くボス的な存在感を示していた。セール前ぐらいから調教の動きが良くなっていました」と石丸氏は振り返る。セール後2カ月しないうちにデビューできたのは500キロ超という恵まれた体に加え、丈夫だったからだ。領家調教師が購入の経緯を説明する。「馬主(大谷高雄氏)から1頭見つけてくれと言われ、芝で走れる馬を探していた。展示で何頭かピックアップした中でも、この馬は馬っぷりが良く脚元もしっかりしていた。それに母系にサンデーが入っていたので、予定額よりは少し高くなったが落札した」師の相馬眼はズバリ的中。新馬こそ2着ながら、未勝利、GIII新潟2歳Sと連勝し、すでに4000万円以上の賞金を獲得。予定していた東スポ杯2歳Sは左蹄球部の化膿で回避したが、すでに不安は解消し、領家調教師は「最終追い切りで仕上がるでしょう」という。セイウンの1歳違いの全妹も8月のサマーセールでJRAが777万円で落札し、現在日高育成場でトレーニング中。「育成担当者も、自分たちが手を掛けて作り上げてきた馬たちが、レースで好成績を残せば励みとなって活気が出てくる。強い馬づくりという観点で馬産地を盛り上げていきたいですね」と石丸氏。お買い得だったセイウンが2歳チャンプになれば、競馬がさらに盛り上がるに違いない。

http://www.sanspo.com/keiba/news/081216/kba0812160506004-n1.htm

中間に一頓挫あったみたいですから心配なのは重め残り。直前の馬体重は要チェックです。