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武邦師が豊&幸四郎の手綱で花道飾る
東西で8人の調教師が28日(土)で引退する。騎手時代にターフの魔術師として人気を博し、トレーナーとしてもG1・3勝した武邦彦師(70)は阪神6クラに出走馬を送り出し、すべて息子の武豊武幸四郎が手綱を取る。騎手時代は魔術師あるいは名人の異名を取り、個性派トレーナーとして2頭のG1馬を送り出し、父親として豊&幸四郎兄弟を見守る。多くの顔を持つ武邦師が、57年間のターフ生活に別れを告げる時がやってきた。「長かったが、終わるとなるとアッという間だった気がする。今は昔と比較にならないぐらい恵まれている。頭数もいるし、馬場もいいし、お客さんもいっぱいいる」。古き時代を懐かしむが、現代競馬の発展こそ自身の功績だ。実はG1級初勝利はデビュー15年目の遅咲きだった。72年にアチーブスターで桜花賞を制すと、その年にロングエースでダービーを勝利。G1級12勝を数え、80年には関西初の通算1000勝を達成した。通算1163勝は、所属厩舎に縛られずに騎乗馬を選べる現在なら3000勝の価値はあると言う関係者もいる。「1日で3勝したなんて1回か2回ぐらいしか記憶がないな」。調教師としてバンブーメモリー安田記念スプリンターズS)やメジロベイリー(朝日杯3歳S)を管理。切れ者ショウリノメガミや、幸四郎がデビュー2日目に重賞初勝利を飾ったオースミタイクーンなど個性的な馬でターフを沸かせた。「騎手としての豊や幸四郎に言うことは何もない。2人とも他の厩舎の馬に乗せてもらっているのはありがたいこと」。最後の6クラはすべて息子2人が騎乗する。阪神7Rワンズガーホッドは「今週の坂路で1番時計。今までにない動きで楽しみはある」。9Rウインキングストンは「先週の勝ちっぷりが良かった。マイルも良さそう」と勢いに期待。オーラスはアーリントンCのメイショウボルト。「お世話になったメイショウさんの馬で最後というのはいいね」。土曜の仁川は武一家、最後のうたげだ。

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