神様は見捨てない

鬼沢年長3位40歳346日初V/女子ゴルフ
鬼沢信子(フリー)が、涙のツアー初優勝を飾った。通算11アンダーの205で金ナリ(韓国)とのプレーオフになり、1ホール目で金を下した。40歳346日の初優勝はツアー史上3位の年長記録、デビューから463試合目での初優勝は所要試合数で最多記録になった。
プレーオフ1ホール目の18番、左ラフからの第2打を鬼沢は左に引っかけた。行方を見守る顔が一瞬ゆがんだが、球が木に当たってグリーン手前の花道に戻ってきた。寄せは手前1メートルに。バンカーから上5メートルにつけた金が、先にパーパットを外す。決めれば初優勝のパットで、入る30センチも前からもうガッツポーズ。両手を上げ、涙があふれていた。
「神様がいたんですね」。プロ21年目、試合に出始めて20年。やっとゴルフの神様に会えた。7番パー5では手前からのアプローチを「(石川)遼くんのイメージで打った。私も(運を)持っているなと」と直接放り込むなどアウト4バーディーで、この時点で2位に5打差をつけた。
「私らしいゴルフ」と振り返るのは12番。左の林に入れ、ロストボールを覚悟して暫定球を打った。ブッシュの中に球が3つあったがどれも違って、予想通りダブルボギーで混戦を「演出」。初のプレーオフまで経験し「最高。ゴルファー冥利(みょうり)。みんな、こんな中でやっているんだと経験できてうれしい」と、20年分を3日間に凝縮させた。
中学卒業のころに女子プロレスの最終面接まで残った恵まれた運動神経と体。高校からゴルフを始め、90年プロテストに合格したが「予選落ちしては泣く」苦しい日が続いた。「先輩に恵まれた」とツアー15勝の安井純子、中野晶らに叱咤(しった)激励され、前向きになった。この日、いても立ってもいられず駆けつけた鬼沢の“人生の師匠”安井は「初めてプロになって仕事をした。1回勝たせてやりたかった」と“弟子”を見つめた。
ここにたどり着くまで長かったことを示す記録を生んだ。出られる試合はすべて出てきた。「ロープの内側にいる幸せ。続けなきゃいけない。もっと強くなるから見ていてください」。新たなゴルフ人生の幕開けになった。

http://www.nikkansports.com/sports/golf/news/p-sp-tp1-20100830-672032.html

続けることに意味がある、これからもがんばれ。
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